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明秀日立が4-1で茨城決勝進出。関東大会優勝を経て、向き合う2つの課題

ゲキサカ / 2022年6月17日 19時27分

 関東大会制覇から、さらに上のステージへ向かうためのチャレンジ。細かい技術や決定力不足で出来具合は「4割くらい」(萬場監督)というが、意図してフィニッシュまで行くシーンが増加していることは確かだ。

 だが、関東大会優勝後に出ているもう一つの課題が、前半で試合を決定づけられず、相手の反撃を許すことに繋がった。東洋大牛久は徹底して下でボールを動かし、植田のキープ力や成島の突破力を活かしてゴールへ迫る。また、左クロスを植田が頭で合わせるシーンもあった。

 ハーフタイムには沼尻とFW岡田尭久(3年)を交代。セカンドボールを回収する佐野、白沢を中心にボールを繋ぐなど、前半よりもビルドアップにチャンレンジしていた。明秀日立は後半、攻守両面で一段階上のプレーを見せる村田が奪い返しからのシュートでゴールを脅かしたが、決め切ることができない。

 明秀日立は13分にMF長瀬瑠伊(3年)、17分にはFW根岸隼(2年)、25分にはDF山賀颯太郎(3年)を投入し、東洋大牛久も18分に小柄な技巧派MF鈴木大晴(2年)をピッチへ送り出す。明秀日立は、ボールを繋いで前進しようとする東洋大牛久の攻撃を高さと的確なカバーリングを見せる秋葉や回収力高い青木中心に阻止。そして、ギリギリのスルーパスを狙う村田や、1タッチパスでテンポを変える石橋、泥臭く前進する熊崎らが中央、サイドから攻め続ける。

 だが、諦めずに戦う東洋大牛久は食らいつき、2点差を維持。迎えた28分、右スローインからボールを繋いで鈴木がクロスを上げる。マークを外して走り込んだ成島のヘッドがゴールを破った。東洋大牛久は選手とコーチ陣が意見交換し、今年の選手たちに合ったシステムを見出して3トップを採用。見事なサイド攻撃で1点を奪い返して見せた。

 ゴールを決めた成島がボールを抱えたままセンターサークルへ。試合が再開されると、選手たちは気持ちの込もった攻守で同点を目指した。だが、FW吉田裕哉(2年)を投入した明秀日立はオープンな展開になる中で地力を発揮する。

 35分、右サイドで長瀬からのパスを受けた吉田が縦へのスルーパス。抜け出した長瀬がクロスを上げると、中央の根岸が豪快なヘッドでゴールを破る。交代出場3人衆によるゴールで3-1とすると、右SB須田遙斗(3年)投入後の40+2分にも吉田のパスを受けた長瀬がGKの頭上を破る左足のゴラッソで4点目。東洋大牛久の丸山監督に「後半、相手の足が止まった時にちょっと(狙いとする)サッカーをすることができました。でも、最後10分のギアが(明秀日立とは)違うなと思いましたね」と印象付ける終盤の強さによって、明秀日立が決勝へ駒を進めた。

 明秀日立の萬場監督はこだわりを欠いて突き放せず、失点もした戦いを厳しく指摘する。「関東大会勝って、良い思いをしたと思うんですよ。謙虚さやああいうもの(1つのチャンス)をひたむきに入れていかないと。まだまだ高校生として未熟なところが出ていると思いますね」。関東大会優勝は力が無いと言われていた世代が、練習、挑戦を重ねて獲得したものだった。

 村田は「(関東大会優勝で、)自信はついたけれど慢心にならないようにしようと言っているんですけれども、こういう失点だったり、点のところでこだわれなかったりというのがある。決勝へ向けて良い準備を続けて、勝って全国大会に出たい」。昨年の決勝で鹿島学園に0-2から逆転負けしたこともエネルギー。この日の戦いを糧に挑戦者として王者に挑み、必ず全国切符を勝ち取る。
 
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2022

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