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[MOM3921]関東一GK遠田凌(3年)_自らのPK失敗から、意地と執念の2本ストップ。守護神の“主演ドラマ”が辿った劇的な結末

ゲキサカ / 2022年6月19日 8時11分

劇的な“主演ドラマ”で男を上げた関東一高GK遠田凌

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.18 インターハイ東京都予選準決勝 東海大高輪台高 0-0 PK2-3 関東一高]

 重要な1人目として蹴ったキックは、相手のGKにストップされる。ただでさえショッキングな出来事である上に、止められたGKが中学時代に所属していたチームの“後輩”だったのだから、その心中は察して余りある。だが、すぐに気持ちを切り替えなくてはいけなかった。なぜなら、彼にはまだやるべき仕事が残されていたからだ。

「自分が外してしまって『ヤバイな』という感覚はあったんですけど、1人目ということでまだ心のゆとりがありましたし、PKなんて2分の1で、予測が外れて当たり前みたいな感じなので、『こっちに来たら100パーセント止められる』という踏み込みだけを意識しました」。

 全国大会出場を懸けた運命のPK戦。壮大なドラマは関東一高の守護神、GK遠田凌(3年=ジェファFC出身)が自ら蹴ったキックを失敗したところから、すべてが始まった。

 その成長に、驚かされていた。東海大高輪台高と対峙した決勝。相手のGK山本桐真(1年)はともに在籍していたジェファFC時代の2学年下に当たる直属の“後輩”。「その時はあまり自分もアイツも上手くなかったんですけど、今日の試合で凄く成長している姿を見て、『さすがに負けられないな』と思っていました」。もともと強く携えていた闘志に、一層火が付く自分を感じていた。

 負けられない理由は、もう1つあった。東海大高輪台のGKコーチは、ジェファFC時代の3年間で指導を仰いだ“恩師”とも言える存在。「僕は中学生の時は学年で3番手のキーパーで、その悔しい経験があったので、『試合に出たい』ということでカンイチに入学したんです。高輪台のGKコーチの方も丁寧に教えてくださったんですけど、公式戦も3年間で1試合しか出られなかったので、目の前で勝つことで恩返しじゃないですけど、成長した姿を見せられたらなと思ってプレーしていました」。遠田が活躍したいシチュエーションは、いくつもの要素が乗っかっていたのだ。そして両守護神はお互いに100分間を無失点で切り抜け、舞台はPK戦へと移っていく。

中学時代の“先輩”と“後輩”が健闘を誓い合う

 練習でも高いPKの成功率を誇っていた遠田は、当初から大事なキッカーとして考えられていた。「もともとキックが上手で『蹴りたい』と言っていた子で、キーパーコーチに『何番目に蹴らせる?』と相談したら『なるべく早い方がいいです』とのことだったので、『じゃあ1番目で行くか』ということでやらせてみました」とはチームを率いる小野貴裕監督。そして、冒頭のように1人目として登場した遠田のキックは、“後輩”に止められてしまう。

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