[プレミアリーグWEST]「ガンバの黄金期を取り戻す」。アカデミーの総力を結集したG大阪ユースが粘って粘って今季リーグ初勝利!
ゲキサカ / 2022年7月5日 20時1分
「やっぱり勝つのって難しいですし、相手も必死で、簡単には勝てる試合はないですけど、このチームでのプレミア初勝利というのが凄く嬉しかったです。ホンマにやっと勝ったなと」(桒原)。爆発した青黒の歓喜。1-0。粘り強く、逞しく戦い抜いたG大阪ユースが、とうとう今シーズンのリーグ初白星をもぎ取る結果となった。
試合後。おそらく担架要員を担当していた少年が、興奮気味に語っていた言葉が偶然耳に入ってきた。「ホンマにメッチャ特等席で試合見れたし、真ん中にいたおかげでキャプテンの人とハイタッチもできたわ!」。
この日の運営を手伝っていたのはジュニアユースの1年生たち。彼らにしてみれば、目の前でこのレベルの試合が見られた上に、感動的な勝利まで味わうことができたわけで、とりわけ桒原とハイタッチまでしてしまった少年にとっては、あるいは一生忘れられない経験になったかもしれない。そのことを伝え聞いた“キャプテン”の言葉が、冒頭のそれである。
決勝ゴールを叩き出し、ヒーローとなった鈴木もこのアカデミーでプレーすることの意義を問われ、次のように答えている。「このエンブレムを背負っていることには凄く責任がありますし、周りからもそういう目で見られるので、常に行動や言動も見られていると思って、そういう部分は意識してやっています」。
もちろんガンバのエンブレムが縫い付けられたウェアに袖を通しているアカデミーの選手は、ジュニアであっても、ジュニアユースであっても、誰もがパナスタのピッチに立つ瞬間を夢見て、日々のトレーニングに向き合っている。だが、その過程にはこの日の人工芝のグラウンドで、かくも熱い、かくも心を揺さぶるゲームを戦うことのできるユースの選手たちが、間違いなく身近な目標として捉えられているはずだ。
「僕らが考えているのは何人があのスタジアムで活躍できるかで、(坂本)一彩が今ああやって頑張っていて、彼にどれだけのヤツが続いていけるか、なんです。片野坂さんがトップチームに来てくれて、ああいうふうにやってくれているところに、僕らもたくさんの選手を出していって、ガンバの黄金期を取り戻せるようにしていきたいんです」(森下監督)。
パナスタに敷き詰められた、鮮やかな天然芝のピッチの“1つ手前”。憧れの舞台のすぐ真横にある人工芝のグラウンドを、ユースの若武者たちがこの日のような熱量でどれだけ覆い尽くせるか。それが、そのまま指揮官が口にした『ガンバの黄金期を取り戻す』ための大きなカギになることに、疑いの余地はあるまい。
(取材・文 土屋雅史)▼関連リンク
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