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[MOM3935]G大阪ユースFW鈴木大翔(3年)_献身のストライカーがようやく手にしたプレミア初ゴールは、今季リーグ初勝利を手繰り寄せる決勝点!

ゲキサカ / 2022年7月5日 21時55分

 チームを率いる森下仁志監督が、11番の言葉を過不足なく補足する。「大翔とは昨日もちょっと話をして、相手の背中を取りに行って、デイフェンスラインと勝負するのはいいんですけど、相方の日笠(廉康)もそれが持ち味だから、『ちょっとインサイドも狙っていこう』と。彼は献身的に、チームのための役割を探せるので」。

 チームメイトと歓喜を共有した決勝点のシーンは、まさに“インサイド”での仕事だった。後半19分。左サイドでスローインを受けたMF大倉慎平(1年)に近寄り、ワンツーで左サイド突破を手伝ってから、すかさず中央へと潜っていくと、ニアに飛び込んだ日笠が潰れたこぼれ球が、鈴木の目の前に現れる。

「最初は『ファーに打とうかな』と考えていたんですけど、相手の足が出てくるのが見えて、それで『ニアが空いているな』と思って、ニアに蹴りました」。冷静な判断から、右足で振り抜いたボールは、左スミのゴールネットへ確実に吸い込まれていく。「今年は点も獲れていなかったですし、チームも勝てていなかったので、もう嬉しさしかなかったです」と笑った鈴木のゴールの陰には、指揮官のアドバイスに加え、もう1人の尊敬すべきコーチの存在も見逃すことができない。

「僕の憧れの選手は大黒さんなんですけど、ゴール前の“点を獲るところ”のことを常に言われていて、たとえばこぼれ球でもどんなシュートでも1点は1点なので、それを練習から決め切るということを意識してきました」。まさにこぼれ球を決め切った形は、間違いなく大黒将志コーチと練習から積み重ねてきた反復の賜物。このことからも、周囲の声を素直に聞き入れられるメンタリティが窺える。

 意外だったのは、その話しぶり。ストライカーとは思えないぐらい、丁寧で、穏やかな口調で、何を言うかをしっかり考えながら、きっちりとした言葉遣いで想いを発していく。そのことに水を向けると、「僕はこれが普通です(笑)」とニコリ。プレースタイルとのギャップも微笑ましい。

 ようやく手に入れた、プレミア初ゴールと今シーズンのリーグ戦初勝利。チームも鈴木も、もうここから逆襲していくことしか考えていない。「僕が点を獲ったらチームが負けることはないと思うので、相手よりも点を獲って、チームを勝利に導けるように頑張りたいと思います」。

 チームの結果と、自身の結果を、ある意味で並列に考えられる献身的なストライカー。だが、この日のように、自分のゴールでチームが勝つことができるなら、鈴木にとっても、いつだってそれが最高だ。



(取材・文 土屋雅史)▼関連リンク
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