広島王者・瀬戸内は再び全国で惜敗。「「伸びしろしか無い」チームは冬に白星重ねる
ゲキサカ / 2022年7月25日 21時33分
[7.25 インターハイ2回戦 大津高 3-1 瀬戸内高 徳島市球技場第2競技場]
広島王者がプレミアリーグ勢の大津高と渡り合った。瀬戸内高は立ち上がり、相手に得意のビルドアップを封鎖されて前進することができず。不運なハンドによるPKで先制点を献上した。
だが、前半のクーリングブレイク明けからシステムを4-1-4-1へ変更。後半立ち上がりには右SB高橋隼士(3年)のフィードなどから、トップ下へポジションを移したFW野上凌雅(3年)が素晴らしい抜け出しを連発し、U-17高校選抜FW澤田佳憲主将(3年)らがシュートを打ち込んだ。
前日にビルドアップの肝でもあるCB渡辺浩史(2年)が骨折して欠場。攻撃で思うような組み立てができない中でも、我慢強く戦い、1失点で踏ん張っていた。そして、後半30分に間接FKから21年U-17高校選抜MF江川楓(3年)が鮮やかな同点弾。試合を振り出しに戻したが、ここで強敵を上回るようなパワーを発揮することはできなかった。
瀬戸内は昨年度、広島県内で公式戦無敗。インターハイは2回戦で福井の名門・丸岡高、選手権は1回戦でDFチェイス・アンリを擁した尚志高(福島)にいずれもPK戦の末に惜敗している。そして、今回は上位リーグの大津相手に健闘したものの、勝ち切ることができなかった。
エース澤田は「こういう試合を勝っていかないとチームの成長にならないし、(勝てば)サッカー人生も変わると思うので、こういう1試合1試合を大切にしていきたい。チャンスはあるので、そこで決め切る力。DFは今日も体張って止めてくれているので、決め切る力がもっとついたら上に行けると思う」と語り、田中健二郎監督は「バイタルのクオリティをもう一個上げて冬に入りたい」と掲げた。
好チームだった昨年から、今年は主力のほとんどが入れ替わった。田中監督は「もっと2年生が入ってくるかなと思っていたんですけれども、3年生が思いの外ポジションを取ってしまって、そこは3年生を純粋に評価してあげたい」と頷く。苦しい状況の中、自分たちで打開策を見出だせないなど課題も。だが、3年生を中心に指揮官が「伸びしろしか無いと思っていて下さい」というチームは、成長を遂げて選手権でより多くの白星を勝ち取る。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2022
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