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[MOM3949]帝京FW伊藤聡太(3年)_「大丈夫だ。取り返してこい」。味方の檄に奮起したカナリア軍団の10番が前回王者を沈める魂の決勝弾!

ゲキサカ / 2022年7月25日 22時33分

「あの瞬間、ある程度あの“空間”は見えていて、ニアは完全にコースを潰されていて、(齊藤)慈斗がゴール前でいつものごとく身体を張ってゴリゴリしてくれていたので(笑)、もう『ここしかない』と思って、蹴り込みました。あまり優れた例えではないかもしれないですけど、『気持ちで押し込んだ』という感じですね」。

『ここしかない』と決断したコースに蹴り込んだボールが、ゴールネットを揺らした瞬間。伊藤は全速力で、アップエリアで待ち受けるチームメイトたちの輪の中に飛び込んでいく。

「『よし!やってやったぞ!』と。『やった!』よりも先に、『やってやったぞ!どうだ、青森山田!これが下から這い上がってきたヤツの意地だ!』と。やってやった感がありました」と笑顔で口にしながら、続けた言葉にキャプテンらしさが顔を覗かせる。

「やっぱりバックアップのメンバーを含め、途中から出たベンチメンバー、スタメンの全員、先生たち、応援の人たち、全員の力が最後にチームの勝利に繋がるような、走り切れるような力になったと感じるので、本当に全員に感謝したいですね」。10番がもたらしたゴールの歓喜が、帝京を力強く次のラウンドへと押し上げた。

 大会前から明言していた目標は、日本一。みんなで掲げたそれが揺らぐことは、決してない。「もちろん今日も青森山田に対して、自分の得点で勝ったというのは嬉しいですけど、僕らの目標は青森山田に勝つことではないので、正直メチャメチャ嬉しいですけど(笑)、そこは次に進まなきゃなと思っています」。

 カナリア軍団が目指す、20年ぶりの“下剋上”。それに近付くためには、10番を背負ったキャプテンがチームにもたらすさらなる歓喜が、絶対に欠かせない。

(取材・文 土屋雅史)●【特設】高校総体2022

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