本気で見据えた“カタール行き”…32歳で初代表の水沼宏太「国を背負って戦うことってこんなに幸せなんだ」
ゲキサカ / 2022年7月26日 15時1分
運命の日韓戦を翌日に控えた26日、日本代表MF水沼宏太(横浜FM)がオンラインの囲み取材に応じ、並ならぬ決意を語った。「このチームを勝たせるために、自分一人では何もできないけど、チームが一つになれば結果はついてくる。僕のできることは全てやりたい」。すべてはチームの勝利のため——。初代表ながらピッチ内外でリーダーシップを見せる32歳が頂を見据えた。
24日に行われた中国戦(△0-0)では出番なし。初戦の香港戦(○6-0)の出来を踏まえれば温存策であることは明らかだったが、水沼は悔しさを隠さなかった。
「キャンプが始まって短い中での試合だったし、新しく出た選手もたくさんいたので難しい試合になると予想していたけど、3戦全勝して優勝しようと決めて入った大会で勝てなくて悔しかった。試合に出られなかったけど、外からでしか戦えないもどかしさ、ピッチ上で戦えないのは悔しかった。もっとチームのために戦えるような選手になれたらよかったなというのも試合が終わってからあらためて感じた」
葛藤の先は起用法ではなく、自身のチームへの貢献度。「押し込む時間帯が多かったので、引かれた相手にいろんなアイデアを出しながら崩していくのは感じていたし、自分の武器が使えると感じていたので悔しかった」。プレービジョンをピッチ上で示せなかった悔しさは、次の試合へのエネルギーとしていくつもりだ。
中国戦の引き分けにより、日本の優勝条件は日韓戦の勝利のみ。「練習の部分でもそれぞれの特徴を掴みながらプレーできている選手が増えてきている。僕自身もそれぞれJリーグで戦ってある程度は分かっていたけど、一緒にやってみてこういう特徴があるんだなと思う人がいた。新しい発見があったので、3試合目は短期間での集大成になる」とチームの成熟度に手応えを感じている水沼だが、その上で「とにかく最後は気持ちの部分が大事になる」と力説した。
「初めての選手がたくさんいる中でも、Jリーグの選手が集まってやっているので、日本のサッカーにとってものすごく大事な試合になる。Jリーグの選手が集まっているからこそプライドを持って戦わないといけない。いろいろ戦い方はあるけど、まずは相手に勝つことが一番だし、勝たないと次につながることは絶対にない」
熱を込めて語った水沼は中国戦後に巻き起こったチームへのバッシングに関する質問にも「僕自身はプレッシャーは感じていない。国を背負って戦っているとバッシングはある。結果で示さないといけないし、プロ選手としてそれが当たり前のこと」と冷静。「僕自身はこれからもこうした戦いをしたいと思っているけど、普段のリーグ戦では国を背負って試合をする機会はなかなかない。そういう時に自分の力をどれだけ出せるかが大事。良い意味で楽しみながらやりたい」とサラリと言ってのけた。
その目線の先には、“カタール行き”という確固たる目標がある。
「自分もまだまだ成長したいし、代表に初めて呼ばれて、国を背負って戦うことってこんなに幸せなことなんだなとあらためて感じて、ずっと居続けたいなって素直に思った。今年あるW杯の直前に代表に選んでもらって、間違いなくチャンスが開けたと思うので、絶対に出たいという気持ちにもなった」
真剣な眼差しで語った水沼は「そういう意味でこのチームで結果を残さないと先につながらない。このチームを勝たせるために、自分一人では何もできないけど、チームが一つになればきっと結果はついてくる。僕のできることは全てやりたい」と熱弁。最年長32歳だが、ギラギラ感はチーム一。水沼宏太は今後のサッカーキャリアをかけ、チームの先導役として日韓戦に挑む。
(取材・文 竹内達也)●EAFF E-1選手権2022特集ページ
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