「勝ちたい」の言葉だけでなく行動から変化。そして、技術力や運動量発揮した帝京が“10個目の星”まであと1勝
ゲキサカ / 2022年7月29日 21時20分
注目世代は勝つことの難しさを学びながら、本当に勝つために何が必要か考え、実践してきた。この日は勝利への思いが、見ている側にも伝わるような戦い。伊藤は「今までは負けてから『勝ちたい』と言うことが多かったんですけれど、今は勝つためにこういうことをしようと全員で勝つために動けていると自分は思えているので、その結果が今ここまで来ていると思いますし、あと一歩で優勝ですし、ここで勝たないと満足なんかできないですし、あと一個勝たないと意味がないので全力で勝ちをどん欲に取りに行きます」。言葉だけでなく、勝つために全員で行動してきた名門が、あと1勝を勝ち取る。
戦後最多タイの選手権優勝6回、またインターハイも優勝3回。帝京は特別な歴史を持つチームだ。その歴史を感じながらも、この日も見せた人数を掛けた崩しやボールを大事にビルドアップすることなど、「新しい帝京」の姿を目指してブレずに取り組んできた。
帝京の主将として91年度選手権日本一を経験している日比監督、同じく帝京の元主将で2年時の03年にインターハイ優勝を経験している松澤朋幸コーチ、03年インターハイ優勝GKの山下高明コーチらスタッフの経験もアドバンテージに。そして、選手自身で勝つための行動ができるチームに成長した世代が、帝京を19年ぶりの決勝まで押し上げた。
決勝の対戦相手は前橋育英高(群馬)。伊藤は「前橋育英という去年も(プリンスリーグで)負けていて最高の強い相手だと思うので。ここで勝ってこそ、優勝したぞと胸を張って東京の仲間たちに会いに行けるのであと一個、どうやっても勝ちたいですね」。全国制覇の回数を意味するユニフォームの胸の星を9個から10個に。主軸の怪我もあり、難しい状況であることは間違いないが、選手、スタッフ全体で最高の準備をして決勝の舞台に立ち、勝って大会を終える。
(取材・文 吉田太郎)●【特設】高校総体2022
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