[MOM818]国士舘大MF東條敦輝(4年)_ドラマは諦めない気持ちから生まれる…終了間際の大臣杯優勝ゴール
ゲキサカ / 2022年9月5日 0時28分
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.4 総理大臣杯決勝 国士舘大2-1大阪学院大 西が丘]
延長戦にもつれ込むかと思われた後半アディショナルタイム。誰よりも諦めなかった男が優勝決定ゴールを挙げた。国士舘大MF東條敦輝(4年=鳥取U-18)は「思ったよりも周りも見えていて、落ち着いて最後に決めることはできた」と振り返った。
序盤はペースを握った国士大は前半20分に先制。しかし徐々に走力を落としていくと、大阪学院大に同33分に同点に追いつかれてしまう。その後は劣勢。守護神のGK飯田雅浩(4年=青森山田高)に助けられながら、相手の攻撃を防ぐ場面ばかりとなった。
しかし後半アディショナルタイム3分過ぎ、東條の諦めない姿勢がドラマを生む。右サイドのMF弓場堅真(4年=浜松開誠館高)からパスを受けたものの、東條はコントロールを少し失い、ボールは前方に転がる。だが、前のめりに追走。相手のクリアをかろうじて防ぐと、宙に高く上がったボールは逆に敵陣内に入っていった。
すると不規則な回転がかかったボールは、キャッチしようとした大院大の守護神・GK梅田陸空(4年=大阪学院大高)の身体をスルリ。「球の回転を見て、何か起きそうだなというのは感じました。ラッキーの部分が大きかった」。ボールを収めた東條の眼前には無人のゴール。「思ったよりも周りも見えていて、落ち着いて最後に決めることはできた」と右足シュートを突き刺した。
フル出場で走り切り、「けっこう体はきつかった。よく保ったなと思います」というほど疲弊。だが、優勝を決定づけるゴールの直後は話が違う。東條は体力が底をついた身体をゴール裏まで運び、仲間たちと喜びを爆発させた。
サッカー人生でも日本一は初になるという。「決勝の舞台にも立ったことがなかった。それを大学4年のときに経験できたっていうのは、とてもうれしく思います」。アミノバイタルカップでの関東制覇から、夏の大学日本一と上々の滑り出し。残るはリーグ戦とインカレだ。「リーグ戦は前期で7位。まだ優勝を狙える位置ではある。一試合一試合大切に、全部勝てるようにやっていきたい」。大学最後の夏を最高の形で締めくくった。次は冬の日本一を目指していく。
(取材・文 石川祐介)●第46回総理大臣杯特集
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