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[MOM4010]磐田U-18DF松田和輝(3年)_ポテンシャル抜群のCBが「スタメン復帰戦」で1ゴール1アシストと連敗ストップに貢献!

ゲキサカ / 2022年9月20日 19時47分

「あの角度だったらファーに打つのは厳しいので、とにかくキーパーの上に速い球を打てば、あの距離なら反応できないと思って、“ニア上”ギリギリを意識しました。あまり自分が先制点を獲ることはないんですけどね」と笑った松田のゴラッソで、チームに貴重な先制点が記録された。

 これだけで躍動は終わらない。2点にリードを広げていた後半17分。ここも右サイドを駆け上がり、MF亀谷暁哉(3年)からパスを受けた松田は、冷静に状況を見極める。「自分で中に切れ込んでも良かったんですけど、京樹が先制点の時にパスを出してくれましたし、ああいうエリアは僕より京樹の方が上手いので、強みを生かしてあげたいという気持ちで優しく出しました。恩返しですね(笑)」。優しいパスを李がゴールへと丁寧に流し込む。これで松田は1ゴール1アシスト。数字でスタメン起用に応えてみせる。

 だからこそ、終了間際の45分に食らった失点は痛恨だった。「最後に自分のクリアミスで失点してしまったので、勝利に安心はしましたけど、ちょっとモヤモヤしている感じですね」と松田。ファイナルスコアは3-1。大きな収穫と、次への課題を得た勝負の90分間は、チームとしても4試合ぶりとなる勝ち点3の獲得ととともに幕を閉じた。

 前田監督も松田に対しては「メチャクチャ良い選手です。3バックにしてから良さが出ていますし、ああいうプレーが見られたのは良かったなと。ただ、もちろんさらに上を目指してほしいとも思っています」と期待を口に。その起用法には一層の成長を促したい意図も、透けて見える。

 松田はもともと藤枝出身だが、小学生の頃は県選抜に縁がなく、市選抜止まり。ジュビロのU-15時代にGSA(静岡ゴールデンサッカーアカデミー)に参加したものの、そのレベルの高さに通用しない自分を知り、さらなる成長の必要性を痛感したという。

 先月末に開催されたSBSカップでは静岡ユースに選出され、U-18日本代表戦にスタメンで出場。相手フォワードと互角に渡り合い、PK戦での勝利にも貢献したが、世代トップクラスの選手たちと対峙した経験を得た上で、やはりチームで活躍することの重要性を改めて再認識してきた。

「ジュビロだったら後藤(啓介)も(森脇)真一も、伊藤猛志もチームで結果を残した上で日本代表に選ばれているので、もちろんそういうところに行きたい気持ちはあるんですけど、それは頭の片隅ぐらいに置いておいて、チームでやるべきことをやって呼んでもらえたら、それが結果としてベストですし、チームでの結果にもっとこだわりたいと思います」。

静岡ユースの一員としてSBSカップを戦った松田

 残されたU-18での時間で成し遂げたいことを松田に尋ねると、やはりチームのことが口を衝く。「今日は勝てましたけど、うまく行かなかったことももう1回チームの中で内省して、課題を直していければ、このチームなら絶対勝てると思うので、誰が出ても勝てるようなチームになれるように、高い意識を持って練習から取り組んでいきたいです」。

 高いポテンシャルは証明されつつある。あとは、それを伸びやかに解き放つだけ。サックスブルーが誇る攻撃的ディフェンダー。チームの結果を最優先に置きながら、右サイドで力強く羽ばたき始めている松田は、これからの自分次第でどこまでも飛び立っていく可能性を、十分に秘めている。

(取材・文 土屋雅史)▼関連リンク
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