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[MOM4012]関東一FW杉山諄(3年)_「自分のため」より「チームのため」にやり切る。Bチームから這い上がってきたアタッカーが貫く信念

ゲキサカ / 2022年10月2日 17時13分

 新チームになっても主戦場はBチーム。インターハイでもメンバーに入ることはできず、焦りばかりが募っていったものの、あるコーチからのアドバイスが心にスッと入ってくる。「鈴木隼平コーチに『チャンスは絶対に来るから、今は我慢だ。そのためにちゃんと自分の実力も今付けていこう』と言ってもらえたので、落ち込むことは全然なくて、夏を過ぎてからは『オレがやるんだ』と思いながらBチームでの練習を前向きにやれたので、それは本当に大きかったかなと思います」。

 9月に入ってプリンスの山梨学院高戦でスタメンに抜擢されると、この日も2試合続けての先発起用。小野貴裕監督も「サッカー観のある子なので、落とすボールも良いですし、アクセントを加えてくれていますね」と高評価を与えており、一気にチームの主力候補へと名乗りを上げている。

 桐蔭学園戦でも2トップを組んだ本間も、“パートナー”についてこう語っている。「前まではライバルという感じで、スタメンを奪われないように意識していたんですけど、今はアツシと組んだら2トップで行ける感じもあって、ヘディングをそらしたらアツシがいてくれますし、アツシがサイドに起点を作ってくれることで、自分が中にいられるようなところもあるので、正直頼っている部分はありますね」。

 その感覚はもちろん杉山も共有している。「今はこうして凛と2トップで出れていて、近くで感じる凄さもありますし、『絶対にアイツには負けないぞ』と思ってやれてもいるので、凄く良い関係だと思います」。少し先を行かれていた“ライバル”との共闘にも、手応えを掴みつつあるようだ。

 実はチーム屈指のムードメーカー。「普段はイジられることが多いですね(笑)。プリンスで初めてスタメンになった時もみんなが前向きな声を掛けてくれたので、自分もやりやすかったです」。チームメイトも杉山が苦しみながら、それでも前向きに練習へ取り組んできたことを知っているからこそ、その活躍を素直に喜んでいるようだ。

 モヤモヤした想いを抱えながら、それでも上を目指し続けたBチームでの時間から、杉山は大事なことを学んだという。「『チームのために』ということを一番の優先順位に持ってくることの大切さです。Bチームでも最初はT2(東京都2部)リーグにも2年生が出ていて、自分たちは公式戦に出られないことが多かったので、モチベーション的には凄く難しかったんですけど、自分のためというより、チームのために頑張れる選手になれば、自分の結果も付いてくるはずだと前向きに捉えたのが大きかったかなと思います」。

『自分のため』より、『チームのため』。その気持ちを携えている限り、そのステージがプリンスリーグであっても、T2リーグであっても、これからやってくる選手権であっても、サッカーと向き合う姿勢は微塵も変わることはない。攻撃も、守備も、自分にできることを全力で、真摯にやり切るだけ。周囲を巻き込むエネルギーを発散しながら、ここまで這い上がってきた杉山の躍動が、チームの進むべき方向を明るく照らし始めている。

(取材・文 土屋雅史)▼関連リンク
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