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延長の死闘制した初芝橋本が頂点に!! 3年ぶりの全国に向け、視線は高く「国立に立ちたい」:和歌山

ゲキサカ / 2023年11月12日 12時3分

 10分ハーフの延長戦では、前半はスコアレス。決勝点は、延長後半5分に生まれる。初芝橋本のMF河崎慶二(2年)が前線にふわりと出したパスに、FW朝野夏輝(3年)が抜け出す。相手DFはクリアしたものの、右サイドからフリーの状態で走ってきたFW大薗一柊(3年)がそのボールに左足をダイレクトで合わせ、振り抜いた。この日、相手の猛攻から何度もゴールを守ってきていた和歌山北のGK味村優希(2年)もシュートに反応し、左手で触ってはいたが、大薗の蹴った強いシュートの勢いを止めることができず。ボールは、ゴールの内側にこぼれ落ちた。その後、初芝橋本は引いて守ろうとした後半の失敗を繰り返さずに、さらに追加点を目指すことで相手を自陣に入れず。延長戦の末に2-1で勝利した初芝橋本が、3大会ぶりに冬の全国への切符を勝ち取った。

 惜しくも準優勝となった和歌山北は、夏には連覇を果たせず、準決勝で無念の敗退。悔しさを味わっていた。そこから5か月余り、全国行きを懸けた大一番で和歌山北らしい連携の取れた守備と、それを連続して行える集中力の高さを見せ付けた。昨年から主軸として戦い、今年はキャプテンを務めてきた近藤を中心に選手たちが成長するための努力をどれほど重ねてきたかが、存分に伝わるゲーム内容だった。試合後、中村大吾監督は、「選手たちには、あれ以上求めることはない」と清々しく話し、「本当によくやってくれた。だからこそ、もう1点ほしかった。でも、選手たち、応援してくれた選手や保護者の方々、そしてチームスタッフみんなで、うちの新しい歴史を作ることができた」と胸を張った。

 勝利した初芝橋本の阪中義博監督もまた、試合後にはスタンドの生徒・保護者に「応援のおかげで」勝利できたと挨拶。過去2大会の決勝戦で悔しさを味わった元キャプテンの2人も、自分たちが果たせなかった優勝の瞬間を見届けようと応援に駆けつけていた。

 初芝橋本キャプテンの石丸は、「前回大会の決勝では、自分のミスで失点した。今年の夏には、インターハイの初戦だった国見高校との試合で、自分がPKを献上した。自分は大事な場面でやらかしてしまう、しょうもない選手だということを痛感していた」という。向上心があるからこそ厳しい現実も受け入れ、「これを返せるのは、もう選手権の全国の舞台しかないと思っていた」。そして、チーム全員で戦い抜き、その機会を得た。

 阪中監督は、全国の舞台に向けて、今回は「まずは初戦を突破することを目標にして」とは言わず、こう話した。

「国立に立ちたい。この選手たちは、それを成し遂げてくれると思っている」

 阪中監督は今年の夏以降、選手たちの能力を生かし、これまで何度も全国大会に臨んで扱い慣れていた4バックのシステムを手放した。インターハイに臨む際にはオプションとして持っていたシステムが、今は軸になっている。大きな変化を加えることができたのは、選手たちに対してそれだけの信頼を寄せているからだと言えるだろう。

 和歌山県勢が全国準決勝まで勝ち進んだのは、阪中監督が1年生だった頃に初芝橋本が臨んだ第74回大会以降、まだ一度もない。新生・初芝橋本が、その壁に挑む。

(取材・文 前田カオリ)●第102回全国高校サッカー選手権特集

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