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[MOM4549]尚志FW網代陽勇(3年)_前日の“染野先輩”のゴールにも刺激を受けた2023年の「尚志の9番」が決勝弾で勝利の主役に!

ゲキサカ / 2023年12月4日 19時14分

「ワントラップしたんですけど、監督に『ボレーする時はボールを最後まで見て、下に落としてから振れ』と言われていたので、それが体現できたらドライブが掛かって、凄く良いゴールが決まりました」と笑顔で振り返った9番は、悠々とチームメイトが待つ歓喜の輪の中に歩み寄っていく。

「そのまま走っていこうかなと思ったんですけど、自分は前半から結構守備もしていて、足に“来ていた”ので、走っていくことはできなくて、ゆっくり歩きながらチームの仲間と喜び合えたのは良かったですね」。

 引き分け以下で優勝の可能性がなくなる前節の横浜F・マリノスユース戦は、後半アディショナルタイムに途中出場のFW桜松駿(3年)が決勝ゴールを奪って、4-3で勝利。しっかり2点を挙げていた自分の存在が霞んでしまっていたことは、感じていたという。

「マリノスの試合も自分は2点決めていたんですけど、最後に駿に全部持っていかれたので(笑)、『今日はオレがやってやろう』という気持ちで、最後に勝ち越しゴールを決められたので良かったです」。最高の仲間であり、最高のライバルと切磋琢磨し続けてきた1年間の努力が、大事な試合で勝利を手繰り寄せるゴールという形で見事に結実したのだ。


 前日に動画で見た“先輩”の活躍も、小さくない刺激になっていたという。「プレーオフはちょうど移動中で、あとでゴールを動画で確認して、『凄いな』と思いました。自分だったらたぶん臆してPKは蹴れないですね」。“先輩”とはもちろん、J1昇格プレーオフ決勝で東京ヴェルディを昇格に導くPKを決めた染野唯月のこと。もともと進学のきっかけになった染野のことを問われ、口にした言葉が振るっている。

「自分がこの高校に入学してきたのは、染野選手の97回大会の青森山田に対するハットトリックを見たからで、『ここに入学したい』という想いを芽生えさせてくれた偉大な先輩です。あの人は高校2年生の時に山田からハットトリックしたり、大会得点王という結果を残していますけど、あの代はベスト4という結果で終わってしまったので、個人としては染野選手を超えられるような得点数を挙げたいですし、自分たちは日本一を獲って、『オレたちの方が上だったぞ』ということを証明したいです」。強気なフレーズに根っからのストライカー気質が滲む。

 リーグ戦では青森山田に一歩及ばず、2位という結果が残ったが、シーズン前に残留を掲げていたことを考えれば、大躍進と言っていいだろう。そしてここからは高校生活最後の晴れ舞台が控えている。改めて選手権への意気込みを問うと、やはり強気な言葉が返ってくる。

「プレミアリーグという舞台をプレゼントしてくれたのは、去年の3年生の活躍があったからですけど、この2位という結果は自分たちの代で出せた結果だと思うので、自信を持って選手権に挑みたいですし、寮生活でも大浴場の中でみんなが集まったら、歌い出したりするぐらい今年の3年生は凄く仲が良いので(笑)、このまま日本一を獲って高校生活を終わりたいなと思います」。

 きっと、信じている。日本の高校生で一番最後までトレーニングを重ね、次の試合に出る権利を最高のライバルと全力で争い、その上で国立競技場のファイナルでゴールを決めるのは自分だと、『尚志の9番』を託された網代は信じている。



(取材・文 土屋雅史)●高円宮杯プレミアリーグ2023特集

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