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頭をよぎっていた“南野珍事”…バーレーン戦のキックオフ失敗に久保建英「あれは僕のミスですね(笑)」

ゲキサカ / 2024年2月5日 16時43分

日本代表のMF久保建英(ソシエダ)

 アジアカップを戦う日本代表のMF久保建英(ソシエダ)が準々決勝イラン戦前日の2日、報道陣の取材に応じ、決勝トーナメント1回戦バーレーン戦(○3-1)で珍しい失敗に終わった前半のキックオフをユーモアを込めて振り返った。

 日本はバーレーン戦の前半キックオフで、センターサークルに入った久保がパスを短く後方に出し、中央突破を狙うトリックプレーを目論んだが、本来ボールを受けるはずだったMF旗手怜央ではなく相手選手がボールを奪取。すぐに旗手が寄せたため一度はボールを奪い返したものの、トリックの影響で人数をかけて攻めに出ていたため、MF堂安律のクロスがカットされたところから危険なカウンター攻撃につなげられていた。

 久保によるとキックオフが失敗に終わったのは、相手選手がセンターサークルに入ってきていたため。久保がボールに触れるよりも早く相手はラインを越えており、ルールどおりであればキックオフのやり直しとなるところだが、試合がそのまま続けられてしまったのだという。久保は「あれは僕のミスですね」と苦笑いを浮かべつつ、饒舌に振り返った。

「キックオフは準備していたんですけど、相手が(センターサークルに)入ってきているのが見えて、本当は(ボールを蹴るのを)止めなきゃいけなかったんですけど、出掛かっていた足が止まんなかったので。あれは僕のミスですね。本当は足を止めて『いや入ってきてる!』って言えばよかったんですけど」

 日本代表は今大会、ボール側のキックオフでは一貫して左サイドへのロングキックを蹴っており、相手が対策をしてきているのはチーム全体が認識していた。そこであえて日本の狙いを見破ってくるであろう相手に対し、このトリックプレーで裏をかく狙いがあった。

「みんなでやろうって話はしていたので、相手がイレギュラーで先に入ってきた時、僕がちょっと足を引っ込めれば良かったってだけの話なんですけど、出しかかっていた足が止まんなかったですね」。そう明るく回顧した久保は「うまくいっていた未来は見えていたんで」と胸を張りつつ、「ただ、幻だったっていう話ですね(笑)」とオチをつけて報道陣を笑わせていた。

 また失敗の裏ではMF南野拓実のモナコでの失敗例も頭をよぎっていたようだ。

「(蹴った時点で相手が入ってきていることを)もっと抗議したら良かったんですけど、俺も触っちゃったんで、もうしょうがないなーと思って。かといって南野選手のキックオフドリブルの件もありますし、僕はもうボール触れなかったんで、とりあえずプレスにだけは行って、触れないなーって思いながらという感じでした」

 南野は昨年春、リーグ・アンのリール戦でキックオフからドリブルを開始。最初にボールを蹴った選手が2度触れることはルール上許されていないため、すぐにファウルを取られていた。この場面は異例の珍事として世界中から注目を浴びていたが、久保はピッチ上でその場面を思い出していた模様。「さすがに2回触るのはダメかなと思って触れなかったです」と苦笑いを浮かべるしかなかった。

(取材・文 竹内達也)
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