[MOM4626]桐生一FW山田康太(2年)_ 得点に係わり続ける新エース。自分に厳しく、努力を重ねて「桐一の山田康太」の名を知らしめる
ゲキサカ / 2024年2月4日 18時17分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.4 群馬県新人大会決勝 前橋育英高 1-2 桐生一高 アースケア敷島サッカー・ラグビー場]
群馬県新人大会で計8得点。チームの総得点の半数近くを叩き出し、「残りも半分がアイツのアシスト」(中村裕幸監督)というほど得点に係わり続けている。桐生一高の新エース、FW山田康太(2年=インテリオール出身)が決勝でも決勝PKを含む2得点に係る活躍。それでも、試合後に山田は「悔しいっていう気持ちが一番強いです」と首を振った。
前半13分、左CKからニアへ飛び込んだ山田がヘディングシュート。「身長(171cm)はあんまり大きくないんですけど、武器なんで。タイミングで合わせる感じで、そこは自信を持っている」というヘッドは相手守備陣に阻まれたが、こぼれ球からFW宮本碧生(2年)の先制点が生まれた。
先制直後には自陣ゴール前の攻防で頭部を強打。一時倒れ込んでいたが、「あそこでもう交代したら、もう最悪なんで」と立ち上がってピッチに戻った。そして、左サイドで攻守に奮闘。前半31分の2点目も山田の武器が得点に繋がった。
右CKからニアを狙って頭で合わせると、これが前橋育英のハンドを誘い、PKに。自ら右足で、ゴール左へ蹴り込んだ。この日、左サイドでプレーした山田はキープ力も発揮。鋭いドリブルをファウルで止められるシーンもあった。
ただし、山田は「ファウルされないぐらい、次は突破できるようになりたい。これから、もっとドリブルを磨いてもっと上手くならないといけない。今回の試合は全然だったんで、もう今日から切り替えて、さらに磨きを掛けて、また育英やった時は、もっと自分が変わったっていうのを見せられるようにやっていきたい」。対峙した前橋育英高の注目MFオノノジュ慶吏(2年)とのバトルでも健闘したが、絶対の自信を持つ1対1、ゴール前のドリブルで違いを作れなかったことが本人は納得できなかったようだ。
1年前の新人大会準決勝・前橋育英戦後も、自分の力を発揮できなかったために悔し涙。1年後に結果を残したものの、再び悔しさを滲ませた。その山田について、中村監督は「エースの自覚みたいのは出てきました」。昨年一年間、途中出場途中交代も経験しながら成長してきたFWは、もっともっと努力を重ねて新シーズンを迎える。
「今までの試合は半分ぐらい点取ってるんですけど、やっぱりまだエースではない。個人としては、誰よりも練習する。それで、自分の武器を活かし、もっとさらに磨いて、次、 成長したところを見せられたらいい」
同姓同名のMF山田康太(現G大阪)は、横浜FMの育成組織出身でU-20ワールドカップやJリーグの舞台でも活躍。横浜FMプライマリー出身の山田にとっては当時から意識してきた選手の一人だ。「僕がホンモノ(と言われるくらい)になるんで。ゲキサカで『山田康太』って検索したら自分が1番上に出てくるぐらいやって見せたい」。自分と厳しく向き合う新エースが今年、「桐一の山田康太」の名を全国に知らしめる。
(取材・文 吉田太郎)
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