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[新人戦]静岡のサックスブルーから群馬のブルードラゴンへ。桐生一の新キング候補、DF原田琉煌が超えたい2人の“ライバル”

ゲキサカ / 2024年2月5日 19時49分


 中学時代をジュビロ磐田U-15で過ごした原田は、U-18への昇格が叶わず、進路を考えていく中でコーチングスタッフから桐生一への練習参加を提案され、「実際に練習参加した時に『自分に合っているな』と思いましたし、練習の質も高かったので、ここに決めました」と、もともと野球が強いというぐらいの認識だった群馬の私立高へと単身で乗り込んできた。

「中学と高校だと全然フィジカルが違うので、入った時は本当にビックリしました」と当時を振り返る原田にとって、大きな転機は入学直後のコンバート。「中学まではフォワードやサイドハーフをやっていたんですけど、桐生第一高校に来てセンターバックを始めました」。攻撃的なポジションから、守備の中軸を担うポジションへと主戦場が移る。

 1年時からAチーム入りを果たすと、プレミアリーグを戦うハイレベルな先輩たちとのトレーニングを経験し、守備者としての基礎を学んでいく。とりわけ参考にしていたのは、1つ上の先輩であり、今季からザスパ群馬でJリーガーとしてのキャリアを歩みだした中野力瑠だ。

「力瑠さんのプレーを見たり、一緒に練習をさせてもらったりしたことで『こういう選手が評価されるんだな』ということもわかりましたし、自分もそういう部分をちょっとずつでも身につけていけたらいいかなと思っています。今もほとんど力瑠さんのプレーを見て、真似している感じです(笑)」。プロサッカー選手を目指している原田にとっても中野の存在は、辿り着かなくてはいけない大切な基準になっている。

 原田にはもう1人、語り落とせない“ライバル”がいる。昨年度に当たる101回大会の選手権で日体大柏高の守護神として全国8強進出に貢献し、102回大会も千葉県予選決勝まで勝ち進んだチームを最後方から支え続けた兄、GK原田眞透(3年)だ。

「兄もジュビロでユースに昇格できなくて日体大柏に行ったので、その影響もあって『自分も県外に行きたい』という気持ちが出てきました。兄は2年生で選手権に出ていますし、やっぱり『兄には負けたくない』という想いがあるので、自分も選手権に出て、それ以上に活躍できるように頑張りたいです」。今年の桐生一はチームにとって過去最高となる全国4強を目指しており、原田も兄を超える“国立切符”を真剣にその視界に捉えている。

『琉煌=りゅうぎ』という名前には、両親の明確な想いが込められているという。「両方の漢字に“王”が入っているんです。それはみんなから信頼されたり、グループを引っ張っていけるような人になってほしいということと、“煌”という漢字の通りに輝いてほしいという由来だと聞いたことがあります」。

 大きな野望を抱いた2024年の桐生一を、最終ラインから盛り立てていく新・キング候補。原田琉煌が2人の“ライバル”を凌ぐ成長を遂げた先には、きっとまだ見たことのない色鮮やかな景色が広がっているはずだ。



(取材・文 土屋雅史)

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