[MOM4628]東山DF上山泰智(1年)_冷静沈着。攻守両面で光る1年生DFリーダー
ゲキサカ / 2024年2月5日 12時40分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.4 京都府高校サッカー新人大会決勝 京都橘高 1-3 東山高 たけびしスタジアム京都]
冷静沈着なプレーは1年生とは思えない。京都橘高との決勝でも持ち前のクレバーな守備で東山高に安心をもたらしたのはDF上山泰智(1年)だった。
前日に行なわれた準決勝に勝利し、2位以内に与えられる近畿新人大会への切符を手にしたが、上山は満足していない。「僕らが見ているのは橘高校に勝つことではなく、全国優勝なので決勝でも勝つのがベース。優勝しないと意味がない」。そう話す一方、昨年の選手権予選決勝で負けた相手であったため、先輩たちの借りを返したいという気持ちは人一倍強かったという。
勝利の鍵を握ると考えていたのは、京都橘の2トップへの対応だ。「11番(宮地陸翔)が逸らせて、7番(増井那月)が背負うというプレーがあるので、ファーストで11番に勝たせない。背負われたら、ボランチとプレスバックして、ボールを奪おうと意識していました」。言葉通り、上山は自身よりも高さのある宮地に対しても恐れず、競り合いに行く。
また、CBを組んだDF津崎翔也(2年)との関係性も良好で、練習からどちらがチャレンジ&カバーに行くか明確にすることで、相手に自由を与えない。「昨日は集中力が切れていた部分があったけど、今日はタイトにプレーしていた。相手にボールを収められたら嫌だと分かっていたのでトライしていた」と称えるのは福重良一監督だ。
守備同様に目を惹いたのは奪った後のプレーだ。セレッソ大阪U-15時代はボールを奪っても慌ててしまい、相手に奪われる場面が多かったが、高校に入ってからは意識改革に励んできた。
この日は奪ったボールを落ち着いて味方に繋ぎ、攻撃のスタート地点としても機能。1失点したものの、チームへの貢献度は高かった。「自分はDFなので奪うシーンが多いけど、そこでまた奪われたら勿体ない。奪ったボールをしっかり繋いで、前の選手に攻めてもらう。奪った後にゆっくりするのではなく、フリーの選手を見つけてパスを出すために、周りを見ながらボールを奪おうと意識しています」。
1年目の昨年は入学直後から出場機会を掴み、レギュラーに定着。夏のインターハイでもピッチに立ち、全国の基準を肌で感じた。プリンスリーグ関西1部を含め、年上のアタッカー陣と対峙するうちに、入学するまではあまり意識してこなかった対人やヘディングでも成長の跡を感じているという。
昨年はDF海老原雅音(3年)など先輩たちに引っ張ってもらう立場だったが、今年は下級生ながらもすでにリーダーとしての自覚は十分。「昨年一年の経験は凄く大きくて、インターハイ予選では優勝できた。選手権予選は決勝で負けたのですが、色んな経験をして先輩から良い刺激を貰った。今年は僕が引っ張ってみんなに刺激を与えたい」。そう話す上山は新チームになってから、DFのラインコントロールを意識しているという。
CBとしては小柄だが、DFに必要な素質は備えている。この一年、心身ともに成長速度を落とさなければより多くの人に注目される可能性は十分ある。若きDFリーダーからは飛躍の予感が漂っている。
(取材・文 森田将義)
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