アジア杯決勝は兄弟対決? スペイン流表現で連覇誓ったカタール指揮官「2位は敗者の1番手という言葉がある」
ゲキサカ / 2024年2月10日 8時2分
そうして迎える決勝戦。前回大会の優勝を知る背番号10のアルハイドスは「チームの一員としていられることを誇りに思う」と前向きに語った。ここまで3ゴールを挙げてきたにもかかわらず、準決勝では戦術変更に伴ってベンチスタートに回っていた33歳だが、国立のサッカー選手養成施設アスパイア・アカデミーから有望な若手選手が出てきている中、現在の立場も前向きに受け止めているようだ。
「この選手たちは2019年から70%が残っている。その中にいられることをとても誇りに思う。プロフェッショナルなメンタリティーを持っていると思う」。W杯惨敗からの立て直しには「まさか決勝に進めるとは」と驚きを見せつつも、「我々は協力し合っている。監督、テクニカルチーム、連盟、FIFAとの信頼関係もある。ここまで来られたのは選手の努力、そして全員の団結があったからだ」とチームの歩みを誇った。
決勝の相手はヨルダンに決まった。優勝候補に挙げられていなかったチームの決勝進出に対し、世界的には驚きをもって受け止められているが、カタールにとっては大会前の親善試合で敗れた相手。アルハイドスはヨルダンメディアからの質問に対し、「親善試合の結果は誰もが知っているし、驚くことではない。対戦した試合で、彼らが上のほうに行くだろうと思っていた」とサラリと述べた。
カタール現地では、ヨルダンとの決勝戦は「兄弟対決」としても注目を浴びている、サウジアラビア対UAEが戦った1996年、イラク対サウジアラビアが戦った2007年に続く史上3度目のアラブ決勝という観点からだ。カタールはラウンド16のパレスチナ戦でも“兄弟対決”を戦っており、そのスタジアムには温和な空気に包み込まれていた。ペルシャ勢のイラン戦った準決勝は一変し、殺伐としたムードが漂っていたが、決勝戦はまた異なる雰囲気になりそうだ。
それでもマルケス監督は言い切った。「これは兄弟関係にある2つの国での試合だが、最後は兄弟同士の戦いになるはずだ」。ヨルダンの監督を務めるフセイン・アムータ氏はかつてカタールのアルサッドの監督を務めていた旧知の間柄。アルハイドスは教え子でもあるため、共に出席した前日会見ではそれぞれが抱擁し合い、友好ムードをうかがわせていたが、指揮官は「兄弟間でも戦いはある。私は兄とテニスをしていたが、兄に勝ちたいと思っていた。これはお互いにとってサッカーの試合だ。両国は非常に良い関係にあるし、彼は素晴らしい監督だが、互いに勝ちたいと思っている」と力を込めた。
そしてスペイン人指揮官は最後に自ら言葉を続け、伝説的なF1レーサー、アイルトン・セナの言葉として広く知られ、母国スペインでも使われているという詩的な表現で必勝を誓った。
「決勝に進むのはとても困難なことだったが、決勝に進んで全てが終わったと甘んじるつもりはない。もう1試合が残っていて、それは決勝戦なんだ。スペインには『2位は敗者の1番手(El segundo es el primero de los perdedores)』という言葉がある。2位で終わるわけにはいかない。トロフィーのために戦う。アジア大陸でトップに立ちたいんだ」
(取材・文 竹内達也)
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