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1年生に託されたキャプテンマークの意味。FC東京U-18MF鈴木楓が図るのは攻守両面でのスケールアップ

ゲキサカ / 2024年2月12日 13時58分

 まだシーズンの立ち上げの時期ではあるが、中盤の形は昨年のチームが多く採用していた逆三角形から、ドイスボランチ気味に。鈴木はMF永浦煌士(2年)とのバランスを考慮しながら、全体へと目を配っていく。

「今日のボランチはどっちかが出たら、どっちかがカバーする、チャレンジアンドカバーの縦関係でやっていました。去年のやり方も良かったですけど、今年の方が多くボールに触っている感じがありますし、今年のサッカー自体が結構ボールを触るスタイルなので、自分としても多くボールに関わりに行っています」。


 そこには佐藤監督から送られている言葉も、多分に影響している。「『常にボールに関わり続けろ』と、『ビルドアップも攻撃参加も全部関われ』と言われています」。キャプテンマークを渡されたことも含めて、要はゲーム全体をしっかり仕切れというメッセージ。ここまでの役割を任されて、鈴木も意気に感じないはずがない。

 昨シーズンの1年を通じてプレミアの舞台で戦い抜いたことで、明らかに向上した部分についても言及している。「プレミアで一番成長したのは判断の速さだと思います。最初はボランチをやっていても、スピード感が全然違って、2タッチも3タッチもしてからパスしていたのが、今は周りの判断を見ながらワンタッチでパスを出せるようになってきましたし、もともとロングフィードも得意なので、今日はサイドチェンジも多く出せたんじゃないかなと思います」。

 確かにボールにはよく関わっていたものの、ドリブルで運ぶようなシーンはそこまで多くない。シンプルなパスワークでリズムを作りながら、機を見て右のMF田中希和(1年)、左のMF中野裕唯(2年)と両翼をシンプルに使うフィードも。その選択と決断も実にスムーズだ。

 5点目が入った後半33分にベンチへと下がるまで、安定したパフォーマンスを披露。それでも「全体の声掛けも含めて、声の質は上げていかないといけないですし、守備の部分は違いを見せないといけないなと。あとは攻撃に多く関わるのであれば、ミドルシュートで結果を残したいなと思います」と課題ばかりが口を衝くあたりに、携えている強い向上心も垣間見える。


 中学時代まではセンターバックが主戦場。U-18に昇格してから中盤へとコンバートされた鈴木が参考にしているのは、オランダ代表のマルチプレーヤーだ。「デ・ヨング選手は守備の面でも気が利くところにいますし、ビルドアップでは相手の逆を取って前を向くシーンも多くて、シンプルに上手いなと思います」。FCバルセロナでも高い評価を得ている俊英に、自身の成長していく姿を重ねている。

 意外にもまだ年代別代表への招集は一度もない。プレミアの舞台で日の丸のユニフォームに袖を通した選手たちとも対峙してきたからこそ、そのステージを希求する想いは今まで以上に高まっている。

「今年はまずU-17の代表は絶対入りたいです。あとはトップの練習もまだ1回も行けていないので、行けるようにしたいですし、そのためにはもっと自分の特徴を出さないといけないと思うので、ミドルシュートだったり、守備の部分の特徴を最大限まで磨いていきたいなと思います」。

 学年なんて関係ない。自分がこのチームを力強く引っ張っていってやる。若き青赤の中盤を取り仕切るリーダー候補。鈴木楓が2024年に志すスケールアップの行方が、今から非常に楽しみだ。



(取材・文 土屋雅史)

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