今秋の「国スポ」優勝へ弾み。U-16静岡選抜がU-16東京選抜に3発勝利
ゲキサカ / 2024年3月25日 22時4分
細谷は「ここ最近、東京選抜に勝ってなかったっていうのを聞いて、やっぱ僕たちの代で勝たないといけないなとと思ったので、前半からもう前にガツガツ行って、先制点と取ろうっていう意識でやっていました」。その言葉通りに静岡が先制した。
東京は決して悪い流れではなかったものの、一瞬の隙を突かれる形で失点。逆にチャンスをモノにした静岡は、針生の左足シュートや泉の非常に鋭いドリブル突破から右SB佐野がシュートへ持ち込むなど、畳み掛けようとする。
だが、東京は田中遥、田中理の両CBを中心に凌ぐ。その東京はハーフタイムに長崎、今井、小林、ヘンリーに代えてDF畠山晃(三菱養和SCユース)、MF松元蓮旺(横浜FMジュニアユース)、MF杉山まはろ(東京Vユース)、FW山田将弘(東京Vユース)を投入。静岡も内田、佐野、安本、杉山、針生をGK松浦迅ビエラ(浜松開誠館中)、DF藤田葵翔(浜松開誠館中)、DF真弓将(浜松開誠館高)、MF大石然一郎(藤枝明誠高)、DF望月蒼太(清水ジュニアユース)と入れ替えた。
東京は登録162cmと小柄な舘美が存在感のある動き。狭いスペースでもボールをロストせずに、オープンスペースへのパスも通していた。その舘美や友松のチャンスメークから反撃。12分に木下とMF古宮一聖(ラルクヴェール)を入れ替えた東京は18分、同点に追いつく。相手を押し込むと、右サイドでセカンドボールを拾った舘美が中へ仕掛ける動きから右足アウトサイドでスルーパス。交代出場で迫力のある動きを見せていた山田が右足ダイレクトで決めた。
だが、静岡は直後の19分、左サイドの鈴木から泉、西岡と繋ぎ、PAへ飛び出した鈴木が逆サイドのネットへ左足シュートを突き刺す。東京の小野貴裕監督(関東一高)は「後半、ちょっとオープンな展開が多くなっちゃって、2失点目が早かった。もうちょっとこっちのゲームに来るまでの時間があれば」と残念がる。
この後、東京は友松に代えて河合に代えてDF粟屋拓洋(三菱養和巣鴨ジュニアユース)を投入。またGK宋とGK林亮太(FC多摩)を交代した。一方の静岡は河合とFW中山聖那(藤枝明誠高)を交代し、鈴木、西岡をDF藤田一毅(静岡学園中)、MF原田音生(FC桜が丘ジュニアユース)と入れ替えた。
静岡は後半も小關らが強度の高い守備。攻撃から守備の切り替えが速く、DF陣の身体を張った守備やGK松浦の守備範囲の広い動きも活かして2点目を許さない。迎えた27分、敵陣での奪い返しから藤田の右クロスから相手オウンゴールを誘って3-1。このまま逃げ切り、19年以来となる白星を挙げた。敗れた東京だが、力を発揮した選手が多く、前向きな内容だった。今回、U-16日本代表活動で不在だった選手も複数。小野監督は「根気強くやらないといけない」と語り、ここから競争を経て選手層を厚くしていく考えだ。
一方、静岡の鈴木監督は流れの悪い序盤から修正するなど、「(選手たちが)主体的にゲームに取り組めたところもあって、良かったと思います。東京さんも有力なクラブの有力な選手たちなんで、凄く良いチームだと思いますけど。それで勝ったのはほんとに静岡の選手、ポテンシャルあるなっていう風に感じています」と頷く。各選手がハードワークを徹底。っそして、個、グループで得点できる力を表現し、勝利した。
静岡のキャプテンマークを巻いた細谷は、「今日、ここで東京に勝てて、静岡のサッカーがレベル上がってるっていうのを皆さんに知ってもらって良かったと思います。この勢いで国スポでも勝って終われるようにしたいと思ってます」。トレセンリーグや練習会を通じてチーム力を向上させ、国スポ優勝を目指す。
(取材・文 吉田太郎)
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