スタメンで2冠経験。左SB小沼蒼珠が「責任感とプライドを持って」青森山田のキャプテンマークを巻き、開幕勝利に貢献
ゲキサカ / 2024年4月6日 21時29分
[4.6 プレミアリーグEAST第1節 市立船橋高 0-2 青森山田高 千葉県フットボールセンター]
プレミア、選手権VメンバーのDFが、キャプテンマークを巻いて開幕勝利に貢献した。青森山田高(青森)の左SB小沼蒼珠(3年=三菱養和SC調布ジュニアユース出身)は前半14分に左ロングスローで先制点の起点に。また、力強い攻め上がりからラストパスを狙ったほか、スペースへの効果的なキックも見せていた。
選手権でも注目されたロングスローはこの日も相手の脅威に。1-0の後半には軽々と投じたスローイン2つであっという間に自陣から相手ゴールライン際まで押し込み、コーナー付近からのロングスローでゴール前のシーンを創出した。
加えて、持ち味である対人守備の強さも発揮。この日は選手権決勝で途中出場しているMF谷川勇獅(3年)が右SBを務め、経験値豊富な2人が両サイドの守りを引き締めていた。
小沼は「勇獅も(最近、)サイドバックやったばっかなんですけど、勇獅は凄いタフに戦ってくれるんで、そこは自分も真似しつつも自分でしか出せないスピードや対人の強さっていうのがある。勇獅は足元ある系なんで、どちらかというとそこで違いを生み出しながら、守備でも、攻撃でも貢献していけたら」と語った。
1月の選手権優勝直後、大きくメンバーが変わり、東北高校新人大会(1月)や3月の県外遠征では思うような結果が出なかった。小沼と谷川を除くと、この日はプレミアリーグの経験がない選手がほとんど。小沼は宿舎でチームメートたちにプレミアリーグの難しさを伝えていたという。
「この開幕戦も、プレミアも、ほぼみんな初めての経験。ホテルでも喋ったんですけど、やっぱりこの観客だったり、このプレミアリーグ独特の緊張感っていうのは、想定してても全然ピッチに立たないと分からないものっていうのが絶対あるっていうことは伝えたんで、それが伝わったかよく分からないですけど(笑)、言わないよりかはマシだと思う。みんなの最初の立ち上がりのプレーも別に悪くなかったんで、少しは浸透したかなって思いました」
その言葉通り、青森山田は雰囲気にのまれることなく、ウォームアップから大声を周囲に響かせ、試合では立ち上がりから積極的な攻守。伝統の“ゴールを隠す”守備、相手に“シュートを打たせない守備”を徹底し、独特の緊張感の中で今できることを貫いた。
小沼は、声、プレーでチームを牽引して勝利。今後も、学年リーダーを務めてきた谷川らのサポートを受けながら、自分の役割を全うする考えだ。「みんなもやっぱ聞いてくれるんで。声っていうのは自分も発言力ある方だと思ってますし、去年の選手権やプレミアの1位をスタメンで経験したのは自分だけなんで、伝える義務はあるかなって感じで、そこは責任感とプライド持ってやれてます。(キャプテンになっても)やることは変わんないんで。山田の伝統とプライドを持ってやるだけなんで、そこはそんな背負い過ぎず、味方に頼れることは頼ってやっていっています」。東北高校新人大会敗退時には涙を流して悔しがるほど、強い責任感と勝利への執着心の持ち主。常に厳しさのあった先輩たちの良さを伝えながら、今年も勝つチームを作り上げる。
(取材・文 吉田太郎)
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