[MOM4665]神戸U-18MF濱崎健斗(2年)_前節で味わったPK失敗からの名誉挽回。2点を演出してチームを勝利に導いた新10番のさらなる成長欲
ゲキサカ / 2024年4月15日 21時15分
静岡学園高(静岡)と対峙した第2節。前半16分にはMF藤本陸玖(2年)のスルーパスから、抜け出したFW大西湊太(2年)の折り返しが濱崎に届くも、シュートはヒットせず。1点をリードしていた45+2分にも岩本の縦パスを引き出し、反転から枠内へ打ち込んだシュートはGKにキャッチされたが、得点への意欲を前面に打ち出していく。
後半10分。右サイドで前を向くと、もうその視界にはゴールしか映っていなかった。「あそこでボールを受けた時には、『ぺナの近くだからドリブルしよう』と決めていましたし、自分は左利きなので右で持ったらカットインが得意で、もうあそこは行ける感じもしたので、自分の持っている技術で行きました」。果敢に仕掛けて放ったシュートはDFに当たったものの、MF瀬口大翔(2年)がきっちりプッシュ。チームに貴重な2点目が記録される。
その5分後。大西からのパスを引き出した濱崎は、ここもすぐさまベクトルをゴールの枠へ向ける。「あの時もペナ付近でしたし、自分でゴールを決めたかったのでシュートを打ちました」。今度は相手のGKにセーブされたボールへ、FW吉岡嵐(3年)がきっちり反応してフィニッシュ。10番の積極性が実り、神戸U-18は大きな3点目をゲットする。
3-0で突入した試合終盤の42分。第4の審判員が掲げた交代ボードに、10の数字が表示される。「3-0で勝っていて、フルで出られるかなと思ったんですけど、監督に交代と言われて、『点、決めれんかったな……』って。そこは決められた事なので、もちろんチームのことを考えれば『そこはしゃあないかな』とは思いつつ、ゴールを決めたかったですね」(濱崎)。
ノーゴールで終わった自身への悔しさが、ベンチへと帰ってくる表情にハッキリと浮かび上がる。ただ、指揮官の中ではそんな濱崎の心情も想定内だ。「あれは毎回です(笑)。アイツはムキになるんですよ。そこは彼の良さでもあって、“自己中”とムキになるのは違うと思うんですけど、彼は自分自身に矢印を向けているからムキになるのだと思っていますし、その負けず嫌いは大事なことなので、まだまだ伸びしろがあるのかなと」。そう紡いだ言葉に安部監督の指導者としてのスタンスが垣間見える。
2節目で手にした今季のリーグ戦初勝利。濱崎も「1節は引き分けたので、勝ち点を早い段階で多めに取っていきたかったところで、今日は自分たちのサッカーもできて、圧倒するというところでも3点差を付けられて、良いゲームができました。この勝ち方は自分たちの自信になりましたし、とても大きいと思います」。
とはいえ、2試合を終えてまだ本人は手にしていないものがある。「もうゴールです。得点、欲しいです」。
次節以降も良い意味でムキになって、ゴールを狙いに行く姿は容易に想像できる。チームの勝敗を担う役割を託された、2024年のヴィッセル神戸U-18を左足で牽引する背番号10。濱崎健斗が備えるサッカー選手としての確かなプライドは、きっとチームを勝利の光の射す方向へと導いていく。
(取材・文 土屋雅史)
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