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仲間の力で準決勝から復帰へ、初戦退場の西尾隆矢「言葉で言えば一言…本当に感謝」

ゲキサカ / 2024年4月28日 5時9分

スタンドで試合を見守ったDF西尾隆矢

 3試合出場停止を経て、次戦から復帰する。DF西尾隆矢(C大阪)はU23アジアカップのグループリーグ初戦・中国戦で退場。残った仲間たちの力で再び大会に戻ることになった。「言葉で言えば一言、本当に感謝。仲間やスタッフ、監督、コーチ含めて全員に本当に感謝ということだけです」と思いを語った。

 中国戦の前半17分、西尾は左ひじを相手選手に当てたとして退場処分。さらにアジアサッカー連盟(AFC)から3試合の出場停止を言い渡されていた。初戦から1人欠くトラブルも仲間は逆に一致団結。今大会優勝、パリオリンピック切符の獲得、そして西尾を復帰させるという目的も加え、U-23日本代表はグループリーグと準々決勝を勝ち抜き、パリ五輪出場に王手をかけた。

 スタンドで試合を見守り続けた西尾は、さまざまな感情を抱いていた。「やっぱりやりたかったと改めて悔しい気持ちもあった」。そして、仲間の奮闘に胸を打たれた。

「みんなが必死になって戦ってくれていた。感動というか、本当にこみ上げてくるものもたくさんあった。カタール戦は苦しい試合になって、自分もすごくハラハラした。そのなかでやっぱり勝ってくれた。試合が終わってみんなに会ったときにまず第一声、本当にありがとうという言葉を全員にかけた。みんなも『おかえり、次から入れるね』と言ってくれた。本当にすばらしいメンバー、いい環境に置かれているなと改めて感じた。感謝の2文字だなと」

 グループリーグ第3節・韓国戦で敗れた日本は、翌日夜に選手だけのミーティングを行った。MF藤田譲瑠チマやMF佐藤恵允、GK小久保玲央ブライアン、MF山本理仁らが話したなかで、西尾も仲間に言葉をかけた。「仲間がいるからこそやっていける。(退場は)ダメなんですけどすごく感じる出来事だった。そこをみんなに知ってほしかった」。改めてその思いを言葉で伝えた。

 小久保はその思いをしっかりと飲み込んだ。「彼が自分たちに与えてきたことはレッドカードで反省している以上のもの。それを自分たちはわかっている」。再び23人全員で戦いに挑めるようになった。「本当にビッグプレーヤー。次の試合に向けて、隆矢も含めて勝っていきたい」と勝利を誓った。

 西尾は初戦の17分のみの出場となったため、「(コンディションは)言わずもがなです。疲れもないし、試合を観てウズウズしている」と意欲をのぞかせる。「今できることを本当にやり続けないといけない。感謝の言葉だけです。次から僕もメンバーに入れるので、チームの力になれることを精一杯やって、しっかりパリを決めたい」。思いがけない境遇となった今大会を最高の笑顔で終えるため、西尾は残り2試合での全力を目指している。

(取材・文 石川祐介)
●AFC U23アジアカップ2024特集●パリオリンピック(パリ五輪)特集

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