大成が関東高校大会初出場初優勝!先を見据えて「絶対に満足しないチーム」「最強の代」へ
ゲキサカ / 2024年5月30日 8時43分
だが、萬場努監督が「(相手のひたむきさや特長を出される中、)修正がなかなかきかず、ちょっとメンタル的にも上手く変えられなかった」と振り返ったように、悪い流れを変えられれず、勝ち越し点を許してしまう。
後半10分、大成はこの日、運ぶドリブル、正確なクロスと印象的な動きを続けた高倉がゴールライン際で身体を投げ出してボールを繋ぐ。これを受けた坂本が、DFを背負った状態からゴール側へターンして右足シュート。クロスを警戒する相手の意表を突いた一撃がファーポストを叩き、ゴールラインを越えた。
後半10分、大成FW坂本青輝が2点目のゴールを決め、勝ち越し
逆転。その後も大成は止まらない。17分にも、伊藤のスルーパスが右中間の稲荷へ通る。稲荷は絶妙なファーストタッチから右足シュートを決め、3-1とした。明秀日立も交代出場のFW鈴木優斗(2年)の落としから保科が右足シュートを放つなど、1点を取り返しに行く。だが、大成は注目CB小池汐生主将(3年)を中心にCB高橋佑弥(2年)、右SB高倉、左SB秋間龍矢(3年)の4バックがバランス良く守り、GK鈴木稜人(2年)を含めて守備対応が安定していた。
後半17分、大成MF稲荷啓太(右)が決めて3-1
30分、大成は稲荷からのパスを左中間で受けた水谷が右足を振り抜く。ファーのネットへファインショットが突き刺さり、4-1。明秀日立もハードワークを続けていたFW柴田健成(3年)が左足シュートをねじ込み、勝利への執念を示す。だが、大成は小池が個の力で相手の攻撃を弾き返すなど、2点差のまま試合終了。雨も降る中で応援してくれた選手、スタッフと一緒に関東制覇を喜んだ。
後半29分、大成の2年生MF水谷良吾が豪快な一撃を決めて4点目明秀日立もFW柴田健成が34分に1点を返したが……
大成の豊島監督は、帝京高(東京)MFとして98年の関東高校大会制覇。選手、監督としての関東大会優勝について、「同じ景色を選手と分かち合えたっていうのは、ほんとに指導者として嬉しく思います。ほんとにスタッフ1人でも欠けてたらやっぱこの結果はないし、今日の応援も1人でも欠けてたらやっぱできないチームっていうのもみんな思っているので、ほんとにもう全員に感謝をしたいなっていう風に思います」と語る。
そして、「ミーティングを自分たちでしてるのをちょっと黙って聞いてたら、『満足するのやめよう』っていうのを常に選手の中で言っていて、やっぱり何か結果が出た時に人は満足しちゃう。でも、(伊藤らが)『上には上がいる』、『もう絶対に満足しないチームを今年は作ろう』と言ってくれてたので、そういった部分では、私が今思ってることを選手も理解してくれてんじゃないかなと思います」と頷いた。
チームの目標は東京3冠、そしてT2(東京都2部)リーグ優勝、T1リーグ昇格だ。小池は「今1個タイトル取ったんですけど、あとインハイ、選手権(での優勝)と、T1に戻さなきゃいけない。全部取って、“最強の代”を目指したいと思います」。新鋭・大成の歴史を変える関東大会初優勝。だが、現状に満足せずに努力を重ね、インターハイ東京都予選制覇に挑戦する。
大成が初優勝。スタンドの控え選手やスタッフとともに優勝を喜ぶ「カモン大成!」の大合唱。だが、目標への挑戦はまだまだこれからだ
(取材・文 吉田太郎)
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