[MOM4712]三重FW水野愛斗(2年)_四中工から同点弾!「ファウルでしか止めれへんっていう選手」目指して磨いたドリブルで躍動
ゲキサカ / 2024年6月1日 9時22分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.31 インターハイ三重県予選準決勝 四日市中央工高 1-1(PK4-5)三重高 四日市市中央陸上競技場]
三重高の2年生FW水野愛斗(クレアーレ甲賀FC出身)が強烈な個性を放った。先制された6分後の前半31分、DFを背負うと、積極的に前へ出て来る相手の裏をかく形でターン。一気にドリブルで抜け出し、最後は「ほんまに、めっちゃ練習しとった」GKとの1対1から右足シュートをゴールへ流し込んだ。
「みんなに『愛斗しか攻撃は点取れんから』と。マジでみんなに言われとったから、どんな場面でも自分が点取ってチーム救いたいなっていう気持ちでした」という水野が個の力で同点ゴールをもたらした。
この日の対戦相手は、名門・四日市中央工高。だが、ゴールシーン以外でも水野は強豪校を苦しめ続けた。怪我を抱えながらのプレーで、今大会は準々決勝で前半に出場したのみ。だが、「(前半で体力が尽きても良いので、)前半で試合終わらそうっていう気持ちでやりました」という水野は、自信を持つドリブルにチャレンジする。
仕掛ける度にDFをかわし、PAへ潜り込んだり、パス交換からゴールを狙うシーンも。相手に警戒される中で2点目を奪えず、延長後半に足を攣らせて交代したが、インパクトのある動きだった。
徳地俊彦監督は、「ノーフェイントでも全員剥がしていく」理由について、間合いと強靭な馬力を挙げる。50m走6秒2の俊足。ドリブルのわずかな緩急の変化に相手DFはついていけなかった。
加えて、本人は楽しんでプレーすることを活躍に結びつけたようだ。昨年のインターハイ予選後、水野は怪我の影響で思うようにプレーできない時期があったという。そこで先輩に掛けられた「楽しめ」という言葉によって、前向きにプレーすることができたからだ。
「去年は『楽しくやろう』って。『しんどい人がおっても、上のヤツらが助ける』みたいな。『みんなで楽しめば絶対に勝てるから、とりあえずもう楽しめばいい』みたいな言われとったから、今日も緊張もあったんすけど、とりあえずもうみんなで楽しもうって。そういうものを学んで、それは僕が伝える側になって、『みんな楽しめ』って言って、みんなで楽しんでやったら勝利に繋がったみたいな感じです」
水野自身も「マジで楽しかった。こんな舞台で応援もみんなしてくれて」という戦いで勝利に貢献。中学時代はボランチで昨年は右サイドを主戦場としていたが、FW転向によってポテンシャルを発揮し始めている。
こだわってドリブルを磨いてきた。「去年の四中工ってめちゃくちゃ強くて、プレッシャーとかも凄くて。だけど、そこでも剥がせるような選手になりたいなと思って、今年はほんまにドリブルに力を入れとって、で、もうファウルでしか止めれへんっていう選手を目指しとったから、今日の試合やったら、結構ファウルもらいながらも戦えた。足攣っちゃったんは自分の弱さすけど、相手は結構ファウルでしか止めれへんみたいな状況にさせてたのは、今日の収穫ってところがある」。フェスティバルの岡山学芸館高戦や滝川二高戦で自信を掴んでいた水野は、この日の活躍で新たな手応え。「今年はホンマに代表ぐらい目指したい」。リーダーシップも兼備。ブレイクの可能性もあるアタッカーは6月2日の決勝でも躍動し、恩師や仲間たちを全国に連れて行く。
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(取材・文 吉田太郎)
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