記者会見でも審判団への怒りぶつけた横浜FMキューウェル監督「ゲームに対して喋ることはない」
ゲキサカ / 2024年6月1日 19時34分
[6.1 J1第17節 鹿島 3-2 横浜FM 国立]
横浜F・マリノスのハリー・キューウェル監督が2-3で敗れたJ1第17節・鹿島アントラーズ戦後の記者会見で、木村博之主審ら審判団に対する怒りをあらわにした。
指揮官は会見の冒頭で「長くは喋りたくない」と前置きした上で「このサッカーのルールの正解が正直わからなくなっている」と心境を吐露。試合については多くを語らず、「ゲームに対して何かを喋ってほしいと思うかもしれないが、喋ることはない。強いて言えばジャッジの部分。レフェリーの部分で不公平が見えた部分があった。日本に来てからJリーグのルールに則ってやろうと思っているが、理解に苦しんでいる。とにかく悔しい気持ちでいっぱいだ」と審判団への不満を示した。
キューウェル監督は試合直後のフラッシュインタビューでも「自分たちは小さい時から大好きなこのスポーツに携わってきている。ジャッジの部分でいろいろあった」「Jリーグはいろんな監督が創造性をふくらませ、うまくやろうとしている中、高いレベルのリーグだと思っている。それなのに他の部分で残念なところが多い」と審判団を批判。記者会見場でも怒りはおさまらず、あらためて怒りをぶつけた形となった。
キューウェル監督は会見で、具体的な2つの判定を例に挙げた。1つ目は1失点目となったFW鈴木優磨のゴールについて。この場面ではMF名古新太郎のクロスをFWチャヴリッチが頭で合わせた後、チャヴリッチの腕に当たったボールが鈴木のほうに流れていたが、指揮官は「(チャヴリッチに)クリアなハンドがあった」と主張した。
もっとも、このようなケースがハンドの反則にあたるのは2020-21シーズンまで。現在の競技規則では改正が行われており、ボールが偶発的に手や腕に当たった場合は本人が得点をした場合にのみハンドの反則が取られることになっているため、ここは主審の判定が正しかったとみられる。
加えてキューウェル監督は試合後の出来事にも不満を述べた。試合終了直後、指揮官はフィールドに入って審判団に抗議した結果、イエローカードを受けていたが、問題視したのは後半アディショナルタイム6分のロングスローの場面。スローワーのDF加藤聖の間近で鹿島MF樋口雄太がジャンプし、ボールの軌道に制限をかけようとした行為に対するものだったという。
キューウェル監督は自身の振る舞いについて「自分が試合中にテクニカルエリア、サイドラインでワーワー言い出すのは自分たちのチームに対してでもないし、相手でもない。ジャッジの部分でなぜああいうふうになってしまうのかと思っているからだ。正直落ち着いてやりたいと思っている。フェアにしっかりとやってくれればああいうことにはならない」と述べた上で、「試合後のことはレフェリーに対して質問を求めただけだった。スローインの場面であそこまでジャンプして向かってくるのは見たことがないし、『あれを流すのか?』と聞いた。それに対してレフェリーは自分に警告を出した」とイエローカードを問題視。続けて「このサッカーを自分は小さい頃からやってきて、指導者をやっている。このスポーツが好きだし、最高のスポーツだと思っている中、スポーツマンシップに則ってみんなでこの素晴らしいスポーツをやっていこうと考えている中でこういうふうになっているのが残念だ」と疑問を呈した。
この一戦では接触プレーの直後、両チームの指揮官から同時に抗議の声が上がるシーンがたびたび見られるなど、審判団側のマネジメントにも不安定さが見えた。キューウェル監督は「自分たちがファウルを取られることが多かった。それもちょっと触っただけで笛が吹かれる部分が目立った。それでいいのかなという部分が正直に言ってある。たとえばダイブしたり、わざと転んでファウルをもらうという技術はVARが入る前は確かにあったと思う。ただ、今はVARなどの技術が入ってやめていこうという傾向がある中で、やはりそういうことが起きてしまう」と判定基準に不満を述べた。
(取材・文 竹内達也)
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