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合言葉は「能登に笑顔を」…鵬学園が歴史を塗り替える勝利!! 星稜を逆転で退けて総体初出場!!

ゲキサカ / 2024年6月4日 10時1分

 以降も鵬学園がペースを握って試合を進め、後半17分に星稜が選手交代によってシステムを4-1-4-1から4-4-2に変更したタイミングで鵬学園ベンチも動く。普段はスタメンでも起用する選手ながら、この日はベンチスタートとなったMF和田陸(3年)を25分に投入する。

「悔しい想いをしていたので、一発やってくれると思っていた」という指揮官の期待通り、35+1分に和田の見せ場が到来。左サイドでボールを受けるとカットインからのシュートを決めると、70+3分にはカウンターから猪谷がダメ押しとなる3点目をマークし、3-1で鵬学園が勝利した。

 震災直後は赤地監督を始め、スタッフは避難先の富山県の民宿で共同生活を送ってきた。校内の合宿所と近隣の国民宿舎で生徒が生活している今も毎日必ず寮に顔を出し、コミュニケーションを密に取っている。一人でサッカー部を見ていた2012年の監督就任当初は当たり前だった光景だが、時間が経つにつれて薄れていた部分だと実感した。

「震災前はコミュニケーションの部分をスタッフに任せて、監督になっていた部分があるけど、今回の震災を機に富山で一緒に生活をするようになり、選手たちが私に対してどう思いますか? と言えるようになってきている。前は言えなくなっていて、私のダメな所だった。大きく変えたわけではない。原点に戻った」

 互いのことが分かるため、試合中はこれまでのように口酸っぱく指示を出さない。「今年は暑苦しい自分は辞めようと自分を変えた。この子たちは一生懸命やってくれているし、俺が言わなくても分かっている」。そう口にする指揮官を信頼しているから、選手たちがこれまで以上に懸命に頑張るようになった側面もあるだろう。選手、スタッフの垣根を越えて一つに繋がった結果が、チームの歴史を塗り替える勝利となった。

 震災以降、選手たちが話し合い、「能登に笑顔を 支援に感謝」、「能登にエールを皆と共に」との言葉を合言葉に活動を続けてきた。全校生徒が駆け付けて大いに盛り上がった様子や難しい試合展開でも最後まで粘り強く戦い続けた選手たちの姿はこれまで支援してくれた人、能登半島の人たちにも届き、笑顔と元気を与えたのは間違いないだろう。

「(被災したのは)能登だけではない。内灘を含めて震災で苦しい地域はたくさんある。金沢だって苦しい地域はある。次は石川県代表として、石川県全体に元気を与えられるよう頑張りたい」。赤地監督の言葉通り、次は石川県代表として全国の舞台で堂々とプレーする番だ。

(取材・文 森田将義)
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