大津の10番MF嶋本悠大が熊本決勝で1G2A。インハイは「一番目立って、一番点取りたいです」
ゲキサカ / 2024年6月6日 8時1分
[6.5 インターハイ熊本県予選決勝 大津高 3-1(延長)熊本国府高 えがお健康スタジアム]
苦闘の中、注目10番が全3得点に係わる活躍だ。大津高MF嶋本悠大(3年=ブレイズ熊本出身)はこの日、熊本国府高ボランチにマンマーク気味に対応される中でのプレー。少しやり辛さも感じながら延長を含む90分間を戦った。
序盤はチームメートと距離感良くパスを繋ぎ、仕掛けてシュートも。前半10分には、ボランチの位置から前線を追い越す形で右サイドへ飛び出し、ゴール方向へのドリブルからマイナスのラストパスを通す。これをFW兼松将(3年)が1タッチで決め、先制点となった。
だが、チームは前半半ば頃からファウルやミスが増え、主導権を失う展開に。嶋本もチャンスメークより、相手ロングボールのセカンドボールを拾うことに重きを置くようになった。普段に比べると、攻め上がりを自重。後半立ち上がりに強烈な右足シュートを打ち込むシーンがあったほか、ボールをロストせずに攻撃に結びつけていたが、ポジションを左サイドへ移行した後もなかなかチャンスを生み出せなかった。
それでも、「(山城朋大)監督が自分をサイドに置いてくれたので、もっとスコア、プレーで恩返ししてというか、しっかり表現したいと思っていました」という嶋本が、延長後半に結果を残す。6分、左中間でパスを受けると、DFを引き付けて内側のFW山下景司(3年)へパス。ここから山下が右足シュートを決めて勝ち越した。
その1分後、嶋本は山下からのラストパスを左中間で受けて豪快な左足シュート。「この試合、ああいうフリーで打つシュートはなかったんですけど、最後の最後であんな良いパスが来て、あんなスペースでシュート打てたんで、これ以上のないゴールっていうか、決めないといけない場面でした」と微笑んだ。
嶋本は昨年から名門校の主軸となり、年明けのU-17日本高校選抜活動や九州高校新人大会で周囲との違いを示す動き。ボールに多く係わりながらアシスト、ゴールも決める嶋本はプロからの注目度を高めた。高卒でのプロ入りが第一目標。そのためにも、まだまだ活躍が必要だと考えている。
全国制覇を狙うインターハイは、「一番目立って、一番点取りたいです。(周りからプロへ行くしかないなと)それぐらい認めてもらえるようなプレーをしたいです」と意気込む。嶋本は年代別日本代表歴がなく、U-17ワールドカップなどで名を上げた神村学園高MF名和田我空(3年)や日章学園高FW高岡伶颯(3年)のような存在になるのはこれから。「代表とかそういうのに入れてないんで。(プロ入りしても)周りも『アイツが何でプロ行くんだよ』みたいな感じになると思うので、インターハイとかプレミア(リーグ)とかでしっかり結果出せるように頑張っていきたい」と力を込めた。
この日は苦しい展開の中で1ゴール2アシスト。数々のJリーガーを輩出している平岡和徳テクニカルアドバイザーや山城監督は嶋本自身の自信も向上していることを感じ取っていた。だが、目標を達成するためには、まだまだレベルアップすることが必要だ。嶋本が、今年2月にトレーニングパートナーとして札幌の練習に参加した際、実感したのはプレースピードや球際、足元の技術力は「高校レベルと全然違う」ということ。そのレベルを目指して自分を磨き上げ、大津の10番はピッチで誰よりも輝く。
前半10分、右サイドを抜け出して先制アシスト延長後半7分、左足シュートを決めて3-1勝負を決定づける一撃
(取材・文 吉田太郎)
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