1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

絶対王者・青森山田相手の惜敗で感じた「小さいところの差」。八戸学院野辺地西は大きな“のびしろ”を信じてリベンジを誓う

ゲキサカ / 2024年6月6日 12時45分

 さらに特筆すべきは、単騎で勝負できる成田の存在だ。前半31分には千葉のパスから左サイドを抜け出すと、左ポストにぶつけるシュート。後半14分にも堀田が繋いだボールから、素早く打ち切ったシュートは相手GKのファインセーブに遭い、クロスバーを越えたものの、19分には中央から寄せてきた3枚のマーカーを1人で切り裂き、枠内シュート。「山田の試合も見た中で、どこでボールを受ければフリーになれるかは自分の中で掴めていたところがあったので、そこは通用しましたし、試合をやる前から自分はスピードでは絶対に勝てると思っていました」という言葉にも納得のパフォーマンスを披露する。

個の力を発揮した八戸学院野辺地西高FW成田涼雅

 だが、勝負はワンチャンスで決した。25分。青森山田に左サイドを完全に崩され、失点。「山田さんはやっぱり綺麗にあの1本を決めるんですよね。ウチにもチャンスは何本かあった中で、ああいうのを決め切る力は山田さんの強さだと思います」(三上監督)。ファイナルスコアは0-1。タイムアップのホイッスルを聞いたオレンジの選手たちは、ピッチに次々と崩れ落ちた。


「今日は全員がやり合えていた中で、決定機も山田より多かったんじゃないかなと思っていますし、今年の野西はシーズンが始まってからみるみる成長していて、山田に勝つ自信も凄くあったので、本当に悔しいです」。試合後。取材エリアに出てきた成田は唇を噛み締める。

 八戸学院野辺地西は昨年11月の県新人大会でも、決勝で青森山田と対戦している。その試合は後半に入って千葉のゴールで先制したものの、結果は1-2で逆転負け。2度に渡って王者に突き付けられた『1点差負け』について、キャプテンの堀田が口にした言葉が興味深い。

「新人戦の時と比べて、自分たちも着実に成長している実感はあるんですけど、逆に言えば山田も成長していますし、それぞれの小さいところの差が積み重なって、1点の失点で負けるというところは新人戦から変わっていないなって。今回はチャンスを作るという意味では自分たちのサッカーができましたし、今年のテーマにしているディフェンスの面でもチーム全員で戦うというところはできていたんですけど、やっぱり守っているだけでは勝てないですし、点を決めないと勝てないなと思いました」。

 1点を守ることと、1点を決めること。かつてないほどに青森山田から勝利を奪う可能性を感じたからこそ、小さいところの積み重ねの差が、より実感を伴って迫ってきたということだろう。

 ただ、彼らにはもう1回だけ挑戦するチャンスが残されている。冬の全国出場を懸けた高校選手権。3年生にとっては高校生活最後の晴れ舞台だ。「ここからもっと練習から頑張って、もっと成長していければ、選手権は絶対に勝てるんじゃないかなと思います」(成田)「去年の選手権で山田とやった時は0-9だったんですけど、そこから着実に自分たちが成長していることは感じていますし、本当に小さな差だと思うので、明日から切り替えます。もっと成長していかないといけないですけど、自分たちにはのびしろしかないなと思っています」(堀田)。

 信じるべきは、自分たちに残されている大きな“のびしろ”。再び青森山田と激突するまで、八戸学院野辺地西はこの日に感じた小さな差を埋めるため、日常の努力をひたすら積み重ねていく。



(取材・文 土屋雅史)
●全国高校総体2024特集

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください