[MOM4730]三田学園FW姫田琢斗(3年)_動き出しを繰り返し、味方のクリアもチャンスに。10番の責任感を持って走り抜く
ゲキサカ / 2024年6月8日 8時42分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.7 インターハイ兵庫県予選準決勝 滝川二高 1-3 三田学園高 アスパ五色メイン]
10番の責任を持って走り続けた。三田学園高はFW姫田琢斗(3年=三田学園中出身)が抜群のスピード、運動量を発揮。序盤からフィフティ・フィフティのボールに追いついてキープし、シュートシーンをもたらすなど攻撃の中心になっていた。
福島康太監督が「あの動物的な感じは他にはいないかなと思います。凄い抜け出すし、クリアボールが全部チャンスになるので、それは才能」と説明するストライカーは前半13分、縦パスに反応してループシュート。22分にもカウンターから一気に抜け出して相手ゴールを脅かした。
そして、前半28分には前線へのロングボールを相手DFの背後から追いかけて前へ。ボールを収めると、落ち着いて左のMF中田雄大(3年)へパスを通し、先制点を演出した。
CB黒瀬直弥主将(3年)が、「FWの姫田のところでほぼ勝ててたんで、そこで結構楽にゲームを進めれたかなと」と振り返ったように、姫田はチームのストロングポイントに。後半も繰り返しスプリントし、チャンスに絡んでいた。
これまでは、トップ下の位置に落ちてボールを受けることも多かった。「裏抜けのボールが欲しい」中で悩んだ部分もあったというが、インターハイ予選前の練習時にパスの出し手との関係性を構築。自分がより活躍するため、チームに貢献するためにどう動けば良いのか、どのようなパスを出してもらえば良いのかのコツを掴んだ。
そして、今大会では50m走6秒1、抜群の走力を活かした動き出しの連続。「今の自分の仕事だと思うんで。そこでかっさらえば得点になるし。裏に蹴ってもらって、例え前に行けなくても、相手潰れたら味方的に楽になるんで、そういうところはしっかり2次攻撃、3次攻撃できるように裏抜けを意識しています」。小柄だが、体操選手だったという父を持つFWは、身体の強さを活かして力強いキープや潰れ役にも。この日は後半半ばを迎える前に足を攣らせていたが、「勝ちたい」という気持ちで直訴して残り5分までプレーした。
一週間前、福島監督から厳しい言葉を受けたという。「10番だからこそ特別みたいなところが、自分の中であんまなくて」。エース番号を背負う選手としての責任感が欠けていた。ピッチ外から応援してくれる同級生や後輩たちに誰よりも応えないといけないと気付かされ、「自分の体がどうなろうと、チームのために」を表現するようになった。
この日はゴールこそなかったものの、チームの勝利に大きく貢献。その姫田は決勝での活躍を誓う。「得点には絡んでるけど、10番っていうFWの役目はできてないんで、直接ゴールを決めてチームを勝たせる。(大事なことは)これだけではないけど、それを意識していきたい」。三田学園中3年時の全国中学校大会準々決勝で青森山田中からゴールを決めるなど「大舞台に強い。ハートも強い」(福島監督)というストライカーが仲間のために走り、10番の役割を全うする。
(取材・文 吉田太郎)
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