「苦しい思い出しかないけど…」広島出身の前川黛也、A代表初先発を終えて地元に“凱旋”
ゲキサカ / 2024年6月8日 20時24分
A代表初先発の試合を無失点で終えた。日本代表GK前川黛也(神戸)は6日のW杯アジア2次予選・ミャンマー戦(○5-0)にフル出場。昨年11月16日にホームで行われたミャンマー戦(○5-0)に後半36分から途中出場し、A代表デビューを果たしていたが、先発でゴールマウスを守るのは初めてだった。
守備機会はほとんどなかったが、「ゲームコントロールを大事にして、いつもどおりできたかなと思う」と、3バックを採用した最終ラインとコミュニケーションを取りながら、完封勝利で締めくくった。
ミャンマー戦を終えて前日7日に帰国したチームは翌8日、広島に移動し、同日夕に広島での初練習を行った。地元のファンを中心に約2000人の観衆が見守る中、トレーニングを終えた広島出身の前川の中には特別な感情もこみ上げていた。
「小さい頃から広島に住んでいて、小中高とやってきていろんな思いもある。広島での生活は挫折というか、苦しい思い出しかないけど、そこから反骨心を持ってここまでやってこれた」
小学校の途中から広島のジュニアで過ごし、中学時代は広島ジュニアユースでプレーしたが、当時はフィールド選手だったこともありユースには昇格できず、広島皆実高に進学。そこでも正GK争いで苦しんだが、関西大で頭角を現し、神戸入団からA代表にまで上り詰めた。
元日本代表GKである前川和也氏を父に持ち、史上2組目となる親子でのA代表キャップも記録した前川は「小さい頃からの夢はサッカー選手になることではなく、日本代表になることだった。こうして地元の広島で(日本代表の一員として)トレーニングできて、頑張ってきてよかったなと思う」と微笑んだ。
11日のW杯アジア2次予選・シリア戦(Eピース)は先発メンバーの入れ替えが予想され、GKも大迫敬介あるいは谷晃生の起用が濃厚だ。今回、U-23日本代表のアメリカ遠征に参加しているGK鈴木彩艶を含め、A代表の守護神争いも激しいが、「出番が来たときにいつもどおりプレーすることが大事。欲を出さず、いつもどおりやっていけるようにこれからもプレーしたい」と、ブレない信念を貫いた。
(取材・文 西山紘平)
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