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[MOM4738]近大和歌山MF佐久間瑛介(3年)_4か月前と同じシチュエーション…「今度こそ絶対に決める」“過去”を乗り越えた主将

ゲキサカ / 2024年6月10日 18時32分

近大和歌山高のキャプテンを務めるMF佐久間瑛介(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.9 インターハイ和歌山県予選準決勝 近大和歌山高 0-0(PK5-3) 初芝橋本高 上富田スポーツセンター球技場]

 9日に行われた令和6年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)サッカー競技の部(男子)の和歌山県予選決勝は、2月11日に行われた令和5年度和歌山県高等学校サッカー新人大会の決勝と同じ対戦カードとなった。結果も同様、延長戦でもスコアレスで決着がつかず、PK戦で勝敗を決し、初芝橋本高を下した近大和歌山高が優勝した。

 キャプテンを務めるMF佐久間瑛介(3年)は、2月の新人戦で5人目のキッカーを務めていた。4人目を終えて3-2となり、佐久間がPKを決めれば優勝が決まる状況だった。「自分が蹴って入れば優勝だと思ったら、浮かれるというか、ハイになってしまっていた」。蹴り出されたボールは、枠内には収まらずにクロスバーを叩いた。

 佐久間は、その1年前の新人戦から全ての県大会王者になっていた初芝橋本が「めっちゃ強い」というイメージを持っていた。その初芝橋本を下し、前年チームで一度も手の届かなかった優勝を果たせると考え、高揚を抑え切れなかった気持ちは理解できる。新チームとなり、佐久間が初めてキャプテンマークを巻いて臨んだ大会でもあった。GK高本陽史朗(3年)が相手の5人目を止めたことで3-2のまま優勝を果たせたが、いま振り返れば、チームを率いるキャプテンとしての意識はまだ少しばかり希薄だったのかもしれない。

 そして、総体予選決勝のPK戦でも、新人戦同様、佐久間が5人目のキッカーを務める。今回も、すでに高本が1本を止めており、佐久間がPKを決めれば優勝が決まる状況だった。「気持ちを抑えて、自分の蹴る方向だけを考え、そのことだけに集中して」蹴ったボールは、「今度こそ絶対に決める」と自身に誓っていたとおり、しっかりと枠内に収まり、優勝を決定させた。

 藪真啓監督は試合後、新人戦でのPK失敗を踏まえた佐久間の成長を評価。加えて「元々守備は一生懸命やってくれる選手だが、判断の速度などもさらに向上した」ことも讃えていた。

 近大和歌山の選手たちは、前所属チームがC大阪和歌山U-15などクラブチームであることが多い印象だが、佐久間は駒野友一や酒本憲幸などの母校でもある海南市立第三中学校出身。ボールを持てば、鋭くサイドを突破するだけでなく、縦パスやサイドチェンジなどを状況に応じて使い分けて好機を生み出す。小学生の頃はFW、中学生から高校1年まではボランチ、去年はサイドバックと、さまざまなポジションを経験してきたことが、今年立っているサイドハーフの位置での状況判断にも生きている。

 佐久間自身も、少しずつ自分の判断やプレーに「自信を持てるようになってきた」。その自信は、より落ち着きをもたらし、的確な判断をさらに素早く選択できることにもつながった。しかし、全国大会に臨むには「まだまだ守備の強度が足りない」という。この日はあいにくの雨天だったこともあり、勇気を持てずにリスクを避ける判断があったことも省みた。

 選手として、そしてキャプテンとして、残された1か月強でさらに成長を重ね、全国の舞台ではゴールと勝利に向かって勇敢にチームを導きたい。

(取材・文 前田カオリ)
●全国高校総体2024特集

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