[MOM957]筑波大GK佐藤瑠星(3年)_「黒田監督にリベンジ」PKストップなどジャイキリの立役者に
ゲキサカ / 2024年6月24日 18時0分
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.12 天皇杯2回戦 町田1-1(PK2-4)筑波大 Gスタ]
絶体絶命のピンチを救った。後半アディショナルタイムのゴールで同点に追いついた筑波大だったが、延長後半2分、MF徳永涼がエリア内のファウルを取られて、町田にPKを与えてしまう。
しかしここでGK佐藤瑠星(3年=大津高)が立ちはだかった。FWエリキのシュートを右に飛んで両手に当ててストップ。「蹴る前にエリキ選手がどっちに蹴るかのデータを貰った。それを信じて飛んで止めた感じです」。決勝弾にもなりかねない勝ち越し弾を許すことはなかった。
さらにPK戦では3人目で蹴ったMF稲葉修土のシュートを足に当てて止めると、4人目のFW荒木駿太のシュートも失敗に導く。試合中にPKを止めたのは初だったという佐藤。「今までやってきたことを信じてやるだけだった。自分のことを信じてプレーしました」と充実の汗を拭った。
高校時代のリベンジの思いも秘めて戦っていた。高校最後の試合となった3年前の高校選手権の決勝で、佐藤がいた大津高は青森山田高に0-4で大敗。その青森山田を指揮していたのが、現在町田で指揮を執る黒田剛監督だった。
佐藤は「黒田監督の青森山田に選手権を負けたので気持ちが入っていた。リベンジできてよかった。4人くらいデータがあった。自分の中でもPK戦はこうやると決めている。あとは余計なことを考えずに飛んで、止めたらヒーローだという気持ちでやっていました」。
後輩も救ったことになった。佐藤と同じ、当時高校2年生で先発していたFW小林俊瑛(2年=大津高)も同じように、“黒田監督へのリベンジ”に燃えていたが、PK戦では4人目で蹴って失敗。ただ「俺がいるから大丈夫だ」と声をかけて、自らの役目に集中した。
日本最高峰のJ1で首位に立つ町田を破ってのジャイアントキリング。佐藤も「自分たちはしっかりと準備をしてきた。本当に失うものはなかったし、やるだけだった。全員がボルテージ高くて、今まで以上でした」としばらくは興奮が冷めそうもない様子だった。
(取材・文 児玉幸洋)
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