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「今日、出し切る」。FW丸茂晴翔が中心選手、桐光の「9」の使命感を持ってスプリント連発し、貴重なゴールも

ゲキサカ / 2024年6月16日 9時32分

桐光学園高の背番号9、FW丸茂晴翔(3年=横須賀シーガルズFC出身)が相手GKをかわす

[6.15 インターハイ神奈川県予選準決勝 日大藤沢高 0-3 桐光学園高 等々力]

 北中米W杯アジア2次予選・ミャンマー戦(6月6日)で2発の日本代表FW小川航基(現NECナイメヘン)もかつて背負っていた桐光学園高の背番号9。その後継者が、インターハイ出場をかけた大一番で圧倒的な走力を見せつけた。

 前半、FW丸茂晴翔(3年=横須賀シーガルズFC出身)は、鈴木勝大監督が「大丈夫かな、と思うようなところもありました」という動き。だが、1-0の後半16分にMF吉田晃大(3年)の折り返しからゴールを決めると、その後はDFラインからのロングパスを幾度も引き出して相手の背後を強襲し続けた。

 2点目を決め切ることはできなかったものの、GKを鮮やかにかわしてゴールに迫るシーンも。前回大会全国2位・桐光学園と3位・日大藤沢高の大一番において、攻撃面での貢献以上に、丸茂の献身的な守備が大きかった。

 鈴木監督も「時間が経つにつれて、ボディブローが相手にとって効いていたかなっていうのは感じました」。相手CBに繰り返しプレッシャーをかけ、取り切れなくても身体をぶつけながら食らいつく。クリアされても最後の一歩まで踏み出してディフェンス。丸茂はその原動力が、スタンドのチームメートや父母の存在だったことを明かす。

「もう今日、出し切るって感じでした。明日のことは考えずに、今日全力で走りました。仲間の応援もあったんで。絶対に全国行こうっていう話もしてましたし、仲間があの(日大藤沢高の応援の)人数に比べたらあんなに少ない中、一生懸命応援してくれたり、保護者とかもみんなで戦ってくれて……。なので、走り止まるっていうことはなかったと思うので、全員でほんとにここに全てを捧げて試合をやったって感じです」

 中でも、背番号9は点差が開いても攻守でスプリント連発。「最後の方、ちょっと苦しい時間帯もあったんですけど。そこで自分がどれだけ走ってチームを鼓舞できるかとか、どれだけ自分が身体をを張れるかとか、そこでどれだけ自分がパワーを出せるかで、チームのその勢いなども変わってきますし、そういう面で言ったら、自分が頑張らなきゃいけない立場だし、9番として点も取らなきゃいけない立場なんじゃないかなと思います」。昨年の全国準優勝経験者は、伝統の9番、中心選手としての使命感を持って走り抜いた。

「今まで9番は小川航基君だったり、凄い選手ばっかですけど、桐光の9番はチームのエースストライカーなんで、自分が前で起点になったり、点を取ってチームを勝たせるっていうのが僕の使命だと思ってるんで、この9番をつけたからには、自分がどんだけ攻撃の起点になれるか、得点の鍵になれるかっていうのが重要だったり、そういうことを任されている番号なのかなと思います」

 昨年のインターハイでは先発を務めて攻守で奮闘していたものの、得点王の先輩FW宮下拓弥(現桐蔭横浜大)らの陰に隠れて無得点。今年は「チームとしてはもちろん全国優勝。自分はチームを勝たせるために得点。全国では得点を狙っていけたらいいかなと思います」と力を込めた。桐光のエースストライカーがインターハイで誰よりも走り、ゴールを決める。
FW丸茂晴翔が右足で決めて2-0
(取材・文 吉田太郎)


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