全国へ「絶対行くんだ」。鹿島学園が昨夏の全国王者・明秀日立を2-0で下し、茨城タイトル奪還
ゲキサカ / 2024年6月16日 17時33分
鹿島学園は前半終盤までのシュート数が0-7。それでも、プラン通りに試合を進めたチームが1チャンスをものにする。前半40分、鹿島学園は右サイドでボールを受けた山本がターンして強引に突破。さらにカバーしたDFのタックルをかわして一気にPAへ侵入する。そして、GKとDFの間へ出したラストパスをMF山入端琉海(3年)が1タッチでゴールへ流し込んだ。
前半40分、鹿島学園FW山本葵が右サイドを突破ラストパスをMF山入端琉海が右足ダイレクトでゴールへ流し込んだ殊勲のMF山入端琉海がガッツポーズ
鹿島学園はこれが前半のファーストシュートだったが、鈴木雅人監督も「クロスの上げる場所と入る場所がドンピシャで繋がっていた」と称賛したファインゴール。体調不良で準決勝を欠場していた山入端が、先発復帰戦で大仕事をしてのけた。
鹿島学園は、後半6分にも山本を起点とした攻撃から10番MF松本金太朗(2年)がラストパスを通す。これを中川が狙うが、明秀日立CB菅野一葵(3年)がブロック。逆に明秀日立は7分、10分とゴール前のコンビネーションからシュートへ持ち込むが、鹿島学園CB畠田凉聖(3年)にシュートブロックされるなどチャンスを活かすことができない。
明秀日立はMF尾上陸のドリブル突破などから反撃
鹿島学園はMF西川大翔(2年)がセカンドボールの回収含めて奮闘。後半13分には個の力で相手エースMF竹花からボールを奪い取った。その西川とダブルボランチを組み、鋭いアプローチを連発していた濱口は、「奪うことができなくても、(2人で)相手に嫌なことをするっていうのは日頃からやってたので、そこは活きたと思います」。また、最終ラインで齊藤が能力の高さを発揮していたのに加え、右SB文平千陽(3年)と左SB清水朔玖(2年)も対人守備で強さを見せる。
明秀日立は21分、左サイドの尾上がDFを剥がして中央へパス。柴田の落としをFW保科愛斗(3年)が狙うが、このチャンスも活かすことができない。逆に後半、攻撃時の距離感が向上した鹿島学園は、25分にスーパーゴールで追加点。左SB清水が左中間で松本からのパスを受けると、ベンチからの「打て!」という声に呼応するように右足を振り抜く。素晴らしい弾道を描いたミドル弾がゴール左上隅に突き刺さり、2-0となった。
後半25分、鹿島学園の左SB清水朔玖が右足ミドル貴重な追加点を喜ぶ
明秀日立は昨年のインターハイで後半の飲水後に抜群の強さを発揮。静岡学園高戦や青森山田高戦で決勝点を挙げている。0-2とされた後、前線に高さを加えて反撃したが、この日は相手GK佐藤の好守にあうなど終盤の強さを示すことができなかった。萬場努監督は「ゲーム全体はうまくコントロールしたけれど、(ゴール前の)肝になるところ。そこはもっとやらなきゃいけない」とコメント。鹿島学園は攻められる時間の多い展開ではあったものの、ゴール前の攻守や勝利への執着心で差をつけるなど2-0で勝利した。
鹿島学園はGK佐藤稜亮が終始安定した守り相手の反撃を鹿島学園右SB文平千陽が跳ね返す
鹿島学園の鈴木監督はプリンスリーグ関東1部で東京Vユースや横浜FMユース、浦和ユースなどと対戦してきたことの効果を口にしていた。年代別日本代表選手たちとの対戦による経験値は大。加えて、指揮官は「あとは、(選手たちが)ほんとによく戦術的に言ったことをちゃんと理解していた」と頷いた。
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