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“勉強で培った”精神力、走力が強み。OB監督の下、凡事徹底で成長の高知小津は1996年以来のインハイに挑戦

ゲキサカ / 2024年6月18日 20時41分

 迎えた今年は「平均値が高いけど、突出した選手がいない代」(寺尾監督)。インターハイ予選の組み合わせが決まり、昨年、全国ベスト8まで進んだ高知高と準々決勝で対戦すると分かった際は、「負けても仕方がないと思っていた」と振り返る。実際、4月に県1部リーグで対戦した際は一方的に押し込まれ、1本もシュートが打てないまま0-2で敗れていた。

 だが、蓋を開けてみると格上の高知と互角の戦いを演じ、PK戦で勝利。決勝も昨年度の選手権出場校である明徳義塾高を無失点に抑え、再びPK戦で大金星を奪って、全国大会出場を手にした。

 決して楽な試合展開ではなかった。日程も準々決勝から決勝まで3連戦だったが、走力と精神力で相手を上回った。練習時間は短く、グラウンドの全面を使えるのは他の部活との兼ね合いで週2回だけ。それでも、勝利を引き寄せた理由について寺尾監督はこう明かす。「選手は普段から課題をこなし、1日中、模試を受けているし、補習も多い。『君たちは嫌なことを文句も言わずにやっているじゃないか。それだけで精神力が強いはずだよ』、『走れるよ、やれるよ』と言い続けた」。

 全国大会に向けて、四国大会からまた新たなチーム作りは始まっている。本職不在のため、2年生からGKに転向し、県予選ではPK戦での勝ち上がりを支えたGK岩崎素宙(3年)が引退を決意。昨年からキャプテンを務めてきたMF横谷隼人(3年)は、早生まれとして挑んだ昨年の国体に続く全国大会出場を決め、サッカーをやり切った達成感からチームを離れた。2人はサッカーで手にした経験を活かし、入学時から希望していた大学への合格を目指す。

 主力の一足早い“卒業”は、チームにとって大きな痛手だったが、県予選後の県リーグ再開初戦は明徳義塾に1-0で勝利。「勝てずに“主力が抜けたから”と言われるのは嫌だった。ターニングポイントで勝負強さを発揮できている」と寺尾監督は胸を撫でおろす。1年生にはJクラブのアカデミー出身選手やクラブチームでサッカーに励んできた選手など実力者が揃う。選手権まで残る決断を下した3年生には、技巧派ボランチのMF山本滉太、FW一色真慧、DF柴田翔朱といった実力者がいる。GK松本涼太(1年)、FW大川哲平(1年)らすでにスタメンを張る下級生が融合すれば、楽しみなチームに仕上がるだろう。

 全国大会の顔ぶれを見るとお世辞にも上位に入れるチームとは言えない。ただ、前回大会で高知がベスト8まで進んだおかげで、シードとして2回戦からの登場になるのは追い風だ。「相手は1回戦からの連戦なので疲れてくれていると嬉しい。うちは直接福島に入ることで怪我人や体調不良を出さず、フレッシュなまま大会に挑んで勝ちたい」。寺尾監督は県予選同様、虎視眈々と番狂わせを狙っている。
寺尾拓監督は就任2年目で高知小津をインターハイへ導いた
(取材・文 森田将義)
●全国高校総体2024特集

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