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前半戦ラストはJ1首位町田との”ボール保持率最小”対決…福岡・長谷部監督「自分たちができることはやった」

ゲキサカ / 2024年6月22日 18時40分

守備陣が町田を完封

[6.22 J1第19節 町田 0-0 福岡 Gスタ]

 長谷部茂利監督のもとでJ1リーグ4年目を迎えたアビスパ福岡は、前半戦19試合を終えて勝ち点29でシーズンを折り返した。これは同じ試合数で戦った2021年の年間勝ち点54を上回る過去最高のペース。それでも指揮官は「上を見たらキリがないし、下を見たら後がない」といった表現でさらなる成長を追い求める姿勢を強調していた。

 福岡はこの日、敵地で首位のFC町田ゼルビアと対戦。ボール保持率では福岡がリーグ最小の41.3%、町田が次点の42.6%と似通ったデータを示しており、互いに近いスタイルのチーム同士の対戦となった。

 ゲームプランも「簡単に失点をせず、無失点で推移しながら最後にゲームを決める」
(福岡・長谷部監督)、「0-0で失点をしないというところから、少ないチャンスをモノにするという本来の町田の考え方をうまく使いながら押し出していった」(町田・黒田剛監督)と近しい考え。ただ、その中でも福岡は保持率43%と町田にボールを持たせることに成功し、コンパクトな守備ブロックからのカウンターという普段の戦い方に持ち込んだ。

 両チームともに決定機はそう多くはなかったが、その数で上回ったのも福岡だった。前半38分にはMF前寛之の右CKに合わせたDF小田逸稀のヘディングシュートがGKの手をかすめて右ポストを叩き、後半にはFWウェリントンとFWシャハブ・ザヘディが決定的なヘディングシュート。いずれも枠を捉えていれば1点ものの場面だった。

 そうした結果のスコアレスドロー。長谷部監督は「町田さんの強みはいくつもある。その強みをどうにかしていくつか消せたんじゃないかなと思う。簡単に失点をせず、無失点で推移しながら、最後にゲームを決めるところでチャンスも作ったし、決めていれば今日は100点だったなと思うが、それでもトップを走っている町田さんに対して自分たちができることはやったし、できたと思う」と総括。「攻撃の課題は相変わらずで、順位が上の町田さんに勝つためにはそこが足りなかった」と明確な課題は残ったが、「次の対戦でそれを発表できるように選手とすり合わせていきたい」と前向きに語った。

 前節・鳥栖戦(◯2-0)までは3連勝が続いており、内容面にも手応えを感じているという。指揮官は「データも含めて自分たちが少しずつ攻守にわたってやりたいことができつつある。できない時もたくさんあるが、回数、チャンスの大きさ、ピッチの小ささに取り組んでいて、数字が物語っているようにそこに少しずつ近づいていて、高まっている。全てが良いわけではないが、少しずつ良くなっていると思う」とチームづくりの現状を評する。

 それでも未来を楽観視するつもりはないようだ。

「今の自分たち、過去の自分たちに思うことは、いま例えば29点取りました。でも残りで29点を取れるかは分からない。上を見たらキリがないというか、他の海外のチームは上手いし、自分たちにはできないからなぜだというのもキリがないとは思うが、29点取ったからいいでしょと下を見たら後がない。自分たちも後はないし、私自身も後はない」

 そう力を込めた指揮官はシーズンの折り返しという節目にも「半分という一つの区切りではあるが、継続して戦い続けていきたいし、良くしていきたいし、選手が迷うことなくピッチを走り回って、ゴールを目指してほしい」ときっぱり。開幕前に掲げたシーズン6位以上という目標に向け、地道に走り続けていく構えだ。

(取材・文 竹内達也)
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