[MOM965]早稲田大GK海本慶太朗(2年)_PK戦今大会初ストップが全国決めるビッグセーブ
ゲキサカ / 2024年6月30日 7時30分
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.28 アミノ杯順位決定戦 早稲田大2-2(PK5-4)亜細亜大 AGF]
決められれば負けという状況まで追い込まれた。PK戦で早稲田大は5人目で蹴ったDF西凜誓(2年=名古屋U-18)が失敗。窮地に追い込まれたが、亜細亜大5人目のMF大塚清瑚(2年=市立船橋高)が外したことでサドンデスに突入する。
そして決着がついたのは6人目、早稲田大はFW久米遥太(1年=早稲田実高)が成功してリードを奪うと、裏のPKをGK海本慶太朗(2年=大宮U18)が右に飛んでストップ。その瞬間に2大会連続22回目となる総理大臣杯への出場が決まった。
今大会2度目のPK戦だった。しかし前回勝利した3回戦の産業能率大戦は4人を失敗に追い込んだが、いずれも止めることはできていなかった。今回も1人は枠外に外れたもの。ただ「運だけは昔から結構ある」と茶目っ気たっぷりに話す海本は、最後の最後の“おいしいところ”を止めてヒーローになった。
PK戦では成功させたキッカーとハイタッチ、そして笑顔でハグをして守りに入る海本の姿があった。「自分のモットーに楽しむことがある。なかなか全国が決まるPK戦ってないじゃないですか。それが楽しくて。そういうところでチームメイトとのハグが自然と出たのかなと思います」。最後まで継続した楽しむ姿勢が、運を呼び込んだのかもしれない。
お父さんは元日本代表で、神戸や名古屋、新潟で活躍した海本慶治氏。ただDFだった慶治氏とは違い、小学校6年生の途中にゴールキーパーに転向した。「自分の夢は自分の敵わないくらいのレベルでサッカーをすること。とにかくJリーグでも海外でも高いレベルを目指したい」。近年ではGK前川黛也(神戸)がJリーグ発足後初の親子二代代表キャップで話題を集めたが、海本もまた父子鷹で日の丸を背負うことを目指している。
まだ大学2年生。「ほかのGKもすごく上手くて、練習をやっていても気が抜けないので楽しい」と話すGKヒル袈依廉(4年=鹿児島城西高/広島内定)やGK北村公平(4年=桐光学園高)らとのし烈なレギュラー争いでレベルアップを図る。「もっとやれるチームだと思うので、良さを全国で表現したいと思います」。臙脂の戦士たちが夏を盛り上げる。
(取材・文 児玉幸洋)
●第98回関東大学リーグ特集
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