先輩の今治DFから学んだCB畑中叶空。抜群のスピード、相手の“矢印を折る”力で帝京DFラインの要に
ゲキサカ / 2024年7月1日 5時10分
[6.29 プリンスリーグ関東1部第8節 帝京高 5-1 栃木U-18 帝京科学大学千住総合G]
目標は、プロ入りした先輩DF。コンパクトな陣形でボールを繋ぎ、守る帝京高(東京)のキーマンだ。DF畑中叶空(3年=鹿島アントラーズノルテジュニアユース出身)は、下級生時から名門の先発を務めていたセンターバック(CB)。登録身長は173cmで特別なサイズはないものの、抜群のスピードとボールを運ぶ力でチームを支えている。
「コンパクトにする、っていうのは常に言われて意識している」というDFはコンビを組む大型CB田所莉旺(3年)らとともにハイラインを維持。この日、栃木U-18に背後を狙われていたが、チーム屈指のスピードによってそのスペースを埋めていた。また、先制点は畑中がヘディングで繋いだボールを起点に生まれたもの。“矢印を折る”力を持つDFは、攻撃面での貢献度も大きい。
「相手の前線がプレスしてきたら、前の“矢印”が強いので、そこを逃がす力に自信を持っています。前の人たちが楽できるように、自分のところでちょっと敵を集めてっていうのは意識しています」。最終ラインでボールを受けると、角度、タイミングの良いドリブルで前から奪いに来る相手FWの“矢印を折って”前進。相手を置き去りにし、そこからの縦パスで攻撃をスピードアップさせた。
元々は中盤のプレーヤー。「元々、ボランチやっていたので、自分が敵の“矢印”を見て逆を突くっていうのはちょっと得意なので、そこを(CBでも)活かしています」。FWを剥がしたあとのパスを繋ぎ切れなかった部分があったほか、相手の攻撃を完全に封じられた訳では無い。だが、中盤よりも全体を見渡せるCBのポジションでコーチングなどを発揮して勝利に貢献。その畑中が参考、また目標にしているのは昨年、隣でプレーしていた先輩DF梅木怜(現今治、U-19日本代表)だ。
「怜君は結構カバーリングどこにでも行ったりして、自分も結構一緒に去年やれて、そこで 感じる部分もあって、見習ってやっています」。昨シーズン途中から田所が先発となり、畑中はベンチへ。ただし、その期間も「ピッチ内でやるのと、外から見てるのでまた違うので、そこでも怜君を見て、習っていました」。同じくCBとしては小柄だった梅木の動きがお手本。予測力も、統率力もまだまだ届かないというが、先輩同様に秀でたスピード、攻撃力も武器に大舞台でチームを勝利へ導けるか注目だ。
29日にインターハイ(7月27日開幕)の組み合わせが決定。注目FW石橋瀬凪(3年)を中心に攻撃力の高い神戸弘陵高(兵庫)と初戦を戦うことになった。「インハイの相手も決まって、全国出るからにはそういう強いところと当たりたかったんで、そこで自分の力をどれだけ出せるかっていうのを意識して、徐々にコンディション上げ切っていけたらなって思います」。目標の梅木は、高校2年時にインターハイ準優勝。「超えれるように。チームの主軸として、常に自分がいたらチームも負けないみたいな。そういう選手になっていきたい」と語る畑中が主軸の自覚を持って帝京に良い影響を与え続け、全国舞台で結果を残す。
(取材・文 吉田太郎)
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