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[MOM967]同志社大FW鹿取勇斗(3年)_関西が誇る高精度キッカー、高校時代に立てなかった全国へ

ゲキサカ / 2024年7月5日 22時24分

[MOM967]同志社大FW鹿取勇斗(3年)_関西が誇る高精度キッカー、高校時代に立てなかった全国へ

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.30 関西選手権決勝 京産大1-2同大 ヤンマー]

 同志社大に13大会ぶり6回目の優勝をもたらしたのは、鮮やかなFKだった。1-1で迎えた後半25分、同大は相手のハンドで直接FKを得ると、キッカーはFW鹿取勇斗(3年=桐光学園高)。ゴールまでの距離はおよそ20m。2枚の壁の外を巻く低い弾道のボールは、GKが伸ばした手をわずかにかすめ、ニアへと突き刺さった。

「コースとキーパーの動きを見て、思い描いてたゴールに繋がった。気持ちよかったです。練習してる形がこの舞台で出せた」と笑顔で振り返る鹿取を、望月慎之監督も「精度の高いキックを蹴れる選手」と高く評価する。「今年はセットプレーに力入れてて、キックに磨きをかけてる最中です」という言葉どおりに、鹿取は4回戦の甲南大戦、準々決勝の龍谷大戦とCKから直接ゴールを決めており、関西でもトップクラスのキッカーとしての実力を存分に発揮している。

 桐光学園高時代は、腰のケガに苦しめられ、インターハイも高校選手権も出場機会を得られなかった。「1分も出られずに、本当に悔しかった。この悔しさは忘れちゃダメ」と大学では絶対に輝くという強い思いで同大へと進学。「慣れてない場所に飛び込んで、自立する力っていうのを磨きたい」と敢えて関西を選択し、ピッチ内外両面での成長を自らに課してきた。その決意どおりに大学ではルーキーイヤーからチャンスをつかみ、着実に力をつけて関西選抜にも選出され、今年は背番号10を背負い同大の攻撃に欠かせないプレイヤーとなっている。

 関西王者として出場する総理大臣杯では、高校時代のチームメイトである早稲田大MF山市秀翔(3年=桐光学園高)とピッチで再会することも楽しみにしている。「一番仲良くて、でもライバル。ずっと切磋琢磨している仲なので、一番やりたい相手」という山市とは離れてもしょっちゅう連絡を取り合う関係だ。鹿取も将来はプロとなることを希望しており、すでに大学選抜に選出され評価も高い山市に追いついていくためにも、全国の舞台での活躍を誓う

 関西選手権では大きな成果を出した。しかし、チームはリーグ戦で最下位に沈む苦しい状況にある。鹿取自身も昨年はチームのリーディングゲッターだったが、今季リーグ戦ではいまだ無得点。昨季とはゲームの中での役割が変わったこともあるが、好連携でチャンスを作っているだけに、「持ち味であるゴールに直結する部分はもっともっと高めていかないと」と気持ちを緩めず取り組む意欲は十分だ。再開するリーグ戦でも自らの活躍で、この上昇ムードのままに勝ち点を積み上げていくつもりだ。

(取材・文 蟹江恭代)
●第102回関西学生リーグ特集

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