終盤はFW役も務めたC大阪DF西尾隆矢「発表当日だけ喜ばせてもらったけど…」パリ五輪代表入りを“気にしない”理由
ゲキサカ / 2024年7月6日 22時25分
[7.6 J1第22節 東京V 1-1 C大阪 味スタ]
1-1で迎えた試合終盤、パリ五輪代表のセレッソ大阪DF西尾隆矢は果敢な攻撃参加で前線に顔を出し、勝ち越しのゴールを狙い続けた。「みんな勝ちたいと思っていたし、自分も勝ちたかった。相手も一人少なかったし、チャンスがあれば攻撃参加しようと思っていた。どんどん前に行こうと思ってああいうプレーになった」。前半終了間際から10人で戦う相手が強固な守備ブロックを敷く中、ベンチの指示を待つまでもなく、前に出ることを決断した。
「人数的に右側に人がいなくなって、自分の前にスペースがあった。後ろは鳥くん(DF鳥海 晃司)が一人で守れていて、ボール保持で自分が少し前でボールを持てれば相手も嫌がっていた。そういうところを見て自分で判断して前に行くようにした。最後のほうは監督からFWの位置でいいと言われていたけど、途中から自分の判断で積極的に前に行こうと思っていた」(西尾)
しかし、最後までゴールは遠かった。「こういう試合をしっかり勝たないといけないし、負けなかったからいいというのは甘い。チームとして厳しくこの結果を受け止めていかないといけないし、何度も何度もチャンスがあった中で勝ち切れなかったのは自分たちの今の実力として考えないといけない」。西尾は相手の退場者で「逆に難しい試合になったのは感じていた」と明かしつつも、数的優位でのドローという結果を厳しく受け止めた。
今月3日にパリ五輪に臨むU-23日本代表入りが決まり、この日がメンバー発表後初めての公式戦。最終盤に見せたような姿勢からはチームを代表する立場だけでなく、国を背負うにふさわしい責任感も漂わせていたが、西尾の中に特別な意識はなかったという。
「(五輪メンバー入りへの意識は)特にないですね。セレッソはセレッソだし、そこでは『五輪に選ばれたから何?』という話なので。自分がやることは決まっている。セレッソで100%以上の力を出して、チームの勝利に貢献する。それだけのこと」
むしろ「五輪に選ばれたから浮かれる状態にならないように常に気をつけているし、浮かれているようじゃこれからやっていけない」と胸に刻んでいたという西尾。「メリハリを持って、発表の当日だけ喜ばせてもらったけど、今はもう一日一日を大切にしていかないといけないと思う」とすでに前を向いていた。
そうしたメンタリティーを大事にしているのは、“パリ五輪代表”としての責任感以前に“プロサッカー選手”としての自覚を重んじてきたからだ。
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