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尚志の右WB荒川竜之介が走力発揮し、右サイドで主導権。刺激を受ける元チームメート超えへ成長、勝利を続ける

ゲキサカ / 2024年7月7日 7時51分

尚志高右WB荒川竜之介(3年=鹿島アントラーズジュニアユース出身)が攻め上がりからクロス

[7.6 プレミアリーグEAST第11節 尚志高 4-1 市立船橋高 仙台大学サッカーフィールド郡山]

 元チームメートの注目選手超えを目指すDFが、スプリントを繰り返していた。尚志高(福島)は「まず守備から」を徹底。市立船橋高(千葉)にボールを保持される時間が増えていたが、差し込んでくる相手からインターセプト。人数をかけたカウンターを幾度も発動していた。

 特に右ウイングバック(WB)荒川竜之介(3年=鹿島アントラーズジュニアユース出身)はスプリントを連発。「カウンターだったら人数掛けて行くみたいな感じなんで、そこで自分が後ろから出ていくことで、枚数は増える。最近、WBでやっていて、(仲村浩二)監督に『攻撃参加と守備は意識しろ』って言われて。自分、得意なプレーが前行くことなんで、前の走りは自分でも意識してやっています」。走ることは自分の役割だと自己分析。オープンスペースへ幾度も駆け上がって相手を押し返し、クロスにも持ち込んでいた。

 相手のパスを読み切って奪い返しに繋げるなど守備も健闘。鋭いドリブルを繰り返していたMF大内完介(3年)とともに右サイドで主導権を握る要因になっていた。「(自分の役割を1-0で勝った)先週に引き続き、今週もできたんで。完介と2人で、守備のところも攻撃のところも相手圧倒できたんで、そこは良かったなと思います」。得点に絡めながったことを悔しがったが、仲村監督も評価するプレーで快勝に貢献した。

 荒川は鹿島ジュニアユース出身。「ジーコスピリットっていうのはあって、勝利には絶対こだわるってずっと言われてきたんで、 高校で鹿島離れても、そこはできている部分」。この日のような我慢の戦いでも、一際勝利への執着心を持って走り、戦うことができている。

 その鹿島ジュニアユース時代のライバルの存在が刺激になっている。荒川は中学2年時までボランチやサイドハーフとしてプレー。その後、右サイドバック(SB)へ転向し、先発を務めていた。当時の左SBが佐藤海宏。鹿島ユース昇格を逃した荒川に対し、佐藤は現在、鹿島ユースの主将を務め、トップチーム昇格も決めている。

「(佐藤には)やっぱ刺激もらえてるんで。中学校の時から同じSBとして海宏は注目されていて、そこで自分も行かないといけないなっていう刺激をもらってたんで、感謝しています」。佐藤のトップチーム昇格が決まった際には「おめでとう」とメッセージ。荒川はサッカーの楽しさや技術、ポジショニングの質を学べたという尚志の3年間や大学での4年間で成長し、「プロで海宏抜きます」と意気込んでいる。

 佐藤超えのためにも、日々のトレーニングに全力。そして、大舞台でのアピールも必要だ。「インターハイでも自分の得意としている運動量は増やして、攻撃に参加しつつ守備もやって、チームとして粘り強く戦って、必ず優勝することを目指している」。憧れは鹿島の“先輩”で元日本代表右SBの内田篤人。身長170cmと高さがない分、守備強度や空中戦もより磨いてインターハイに臨む。

(取材・文 吉田太郎)

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