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欧州組急増のジレンマも「ポジティブに捉えたい」JFA影山技術委員長が語る28年ロス五輪への強化方針

ゲキサカ / 2024年7月12日 20時20分

影山雅永技術委員長(写真右)

 日本サッカー協会(JFA)の影山雅永技術委員長が12日の技術委員会後、東京都内で報道陣の取材に応じ、今後のオリンピック世代の強化方針に言及した。今回のパリ五輪では欧州組の選手招集が難航しており、2028年大会以降も引き続き同様の傾向が見込まれる中、「これだけ海外の選手がいるからこそ代表チームの編成が難しくなる。我々の国としてどう強化につなげていくかを議論している」と明かした。

 影山委員長は4年後のロサンゼルス五輪に向けたチーム編成方針について「まだまだ具体的には話し合っていないし、決まってない」としながらも、「ヨーロッパのクラブで中心になってプレーする選手は、その先のSAMURAI BLUE(A代表)にとってはメリット。それをどういうふうに考えるか」と欧州移籍を志す選手のキャリアを尊重。欧州移籍が選手のレベルを高める一方、五輪招集をめぐってはジレンマもつきまとうが、次のように思いを語った。

「非常に難しいですけど、海外でプレーする選手がほとんどいなかった時代からすると、われわれ日本サッカーの進歩なんですよね。たとえば中東でサウジアラビアは自国から出さないことで選手を固めて強化・育成する方針を取っているけど、それが最も良いことなのかというとそうではないですよね。カタールW杯でもどこのリーグでプレーしているか、どこで日常のプレーをしているのかが結果に影響を及ぼしたというレポートも出ている。われわれはそっち側で、日常に高いレベルでプレーできる選手が増えていっていることをポジティブに捉えたいなと思っています」(影山委員長)

 そこで理想に掲げるのは、世代のベストメンバーが組めなくても国際大会で結果を出せるような選手層を備えることだ。影山委員長は「特定の20数人だけを強化していたらそれは難しい。才能をどんどん発揮してくれる選手を大きく確保して、それぞれにどうチャンスを与えていくのか。それをいま議論していかなきゃいけないし、議論しているところ」だと強調する。

「20数人だけ強化していこうとなると、彼らが(予選や五輪本大会に)入れないことも想定しないといけないのでそうなった時は選手の成長にとってもチームとしてもデメリットになってしまう可能性がある。そこで強化によって遠征したり、予選に出てもらったりということを工夫することによって、より多くの選手にまんべんなくパフォーマンスを出せるようにしてもらいたい。今回(のU23アジア杯)は大岩監督が非常に手腕を発揮してくれて、代わって入ってきた選手もすごくすんなりとコンセプトに合ったパフォーマンスを出してくれた。こういった層をある程度、厚めに持つということはわれわれの話し合いでも出てきているところです」(影山委員長)

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