実家からフランスに行き先変更…植中朝日はパリ五輪に準備万端「自分の特徴を前面に出したい」
ゲキサカ / 2024年7月23日 5時26分
7月3日にパリオリンピックメンバーが発表されたとき、MF植中朝日(横浜FM)の名前は本大会メンバー18人、バックアップメンバー4人のなかに入っていなかった。しかし、クラブ事情で不参加となったMF佐野航大(NEC)の代わりに追加招集。バックアップメンバーの現地帯同が決まったことで21日夜にチームに合流した。
バックアップメンバー入りの連絡を受けたのは夢のなかだった。横浜F・マリノスで植中をインサイドハーフとして起用した指揮官、ハリー・キューウェル監督が15日付けで契約解除に。植中はチームメイトとともに羽田空港に見送りに行き、帰宅後に寝ていたという。目を覚ましたきっかけは一本の電話。横浜FMの強化部長から、バックアップメンバーに追加招集されたことを伝える内容だった。
昨年11月に追加招集されたときは熱海に温泉旅行へ行く予定だった。「熱海はいつでも行けるので」と気持ちを切り替え、初めてのU-22日本代表で日の丸を背負った。3度目の招集となった今回もすでに予定は入っていた。実家に帰るつもりだったという。
「姪っ子が誕生日だったので、兄貴から誕生日プレゼントを買いに行こうと言われていた」(植中)。バックアップメンバーにも入っていなかったにもかかわらず急きょフランス行きにまで発展。「母親は最初信じてくれなくて。もう嘘はいいからみたいな感じで(笑)。でも本当に急だったので、一人暮らしで犬を飼っているけど、母親に次の日仕事を休んでもらいました。犬を預けるために迎えに来てもらったので感謝しています」。怒涛の展開を振り返った。
開幕直前にバックアップメンバーに関するルール変更があった。毎試合ごとに本大会登録メンバー18人とバックアップメンバー4人から選手を選べるようになったため、実質的に22人で戦うことになった。もともと現地非帯同だったバックアップメンバー4人も帯同させることになった。
植中は「もともとはなかったチャンスなので、チームのためにという気持ちが強い」と謙虚だ。だが、ゴール前で違いを出す強みには自信をのぞかせる。「それを評価してもらってここに呼んでもらっている。そういった自分の特徴を前面に出したい」。チームの勝利のために、力を尽くすつもりだ。
(取材・文 石川祐介)
●パリオリンピック(パリ五輪)特集(サッカー)
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