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ルヴァンカップの悔しい経験も成長の糧に。山形ユースFW井上椋太郎は「超嬉しかった」全国ゴールでストライカーの仕事を果たす!

ゲキサカ / 2024年7月23日 14時57分

「この前の試合でやっと初ゴールが獲れて、良い流れに乗りかけていたので、そのままの勢いでこっちに来ることができて良かったです」。チームもいったんは大分U-18に追い付かれたものの、きっちり勝ち越しゴールを奪って、2-1で勝利。井上にも、チームメイトにも、最高の笑顔が弾けた。


 3月13日。井上はトップチームの公式戦の舞台に立っていた。2024JリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド1回戦。カターレ富山とアウェイで対峙した一戦で、ベンチ入りを果たした井上は、1点をリードした延長後半開始からプロのピッチへと足を踏み入れる。

「正直、試合に出られるとはあまり思っていなかったですし、呼ばれたらやってやろうという気持ちだったんですけど、そう簡単にはいかなかったので、悔しかったですね」。試合はそこから2点を奪われて、まさかの逆転負けを喫してしまう。

「自分が出てから逆転で負けてしまったので、まだまだ足りないところがあるなと思いましたし、もっと成長する機会を作ってくれた1試合でした」。サッカーに日々の生活が懸かっている選手と一緒のピッチに立った経験は、自身の中にしっかりと刻み込んでいる。自分も同じ立場を目指すのであれば、まだまだ足りない。あの日の15分間を経て、成長への渇望感は格段に増している。

 トップチームの練習に参加した際には、レフティのボランチから大きな刺激を受けたという。「小西雄大選手は超上手かったですね。ずっと左右に首を振っているので、真ん中に首がないんですよ(笑)。質も高いですし、強度もありますし、ちょっと違うなと思いました。カッコよかったです」。ルヴァンカップで井上が登場したのは、既に小西がベンチに下がった後だった。いつかは、同じピッチに、必ず。新たなモチベーションも自分を前へと進ませてくれるはずだ。

 夏の全国大会はまだまだ続く。この日の結果は、この日のもの。もう視線は次へととっくに向いている。「結果が出たのは嬉しいですけど、明日以降も試合は続いていくので、切り替えて、もう1回気持ちを入れ直して、チームに貢献できるように頑張っていきたいです」。

 山形ユースの17番を背負った、献身的なストライカー。爆発の予感を漂わせる井上椋太郎は、チームメイトへ歓喜をもたらすため、何度でも、何度でも、ペナルティエリアの中に飛び込んでいく。



(取材・文 土屋雅史)
●第48回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)特集

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