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あのとき駆け付けてくれた仲間のために…西尾隆矢はピンチ招いた川崎を擁護「僕もアジア杯で迷惑をかけた」

ゲキサカ / 2024年7月28日 11時10分

DF西尾隆矢

[7.27 パリ五輪GL第2節 U-23日本 1-0 U-23マリ ボルドー]

 不可抗力のハンドでピンチを招いた仲間を庇った。U-23日本代表DF西尾隆矢は、MF川崎颯太のハンドについて「あれは誰が悪いとかではない」と擁護した。

 1-0で迎えた後半アディショナルタイム、日本はまさかのピンチに陥った。相手の波状攻撃を受けた際、果敢にブロックした川崎の腕に相手のシュートが当たった。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックを経てハンドが認められ、PKを献上した。

「僕はもう玲央が絶対止めてくれると思っていた」(西尾)。U23アジアカップ決勝でも終盤にPKを与えたが、GK小久保玲央ブライアンのスーパーセーブが危機を救った。仲間たちはその瞬間を覚えており、守護神が止めるという確信を胸に秘めていた。結果、小久保のプレッシャーに圧された相手のシュートは枠を外れていった。

 仲間たちが小久保の活躍を信じた一方、川崎は自身の過ちを悔いていたという。「ずっとごめんと言っていた」(西尾)。失点のピンチはひとつのミスでは起こりえない。そう西尾は力説する。

「あれは誰が悪いとかではない。その前のプレーというところを課題として直していかないといけない」

 そして、西尾はあえて自身の“過ち”を引き合いに出した。「僕もチームに迷惑かけたことはアジアカップであったので」。パリオリンピックの切符が懸かった最終予選のU23アジア杯初戦で、西尾はレッドカードで退場処分を食らっていた。

 西尾が無言でピッチを去る間際、駆け付けた3人のうち一人が川崎だった。川崎はそのとき、ピッチを去る西尾に対して「チームに申し訳ないという気持ちもあると思う。だけど、そう思わないでほしい」と声をかけていた。

 今度は西尾が川崎を守る番だ。「チームメイトの存在は本当に有難いと、自分が一番わかっている」。川崎には「全然問題ないよ。颯太のおかげで守れているところもあった。そこは助け合いなので切り替えていこう」と伝えたという。

 日本はオーバーエイジ不在で初めてグループリーグ突破を決めた。個々の成長と、そして2年半をともに歩んできた結束力も、勝ち進む大きな原動力になっているに違いない。

(取材・文 石川祐介)
●パリオリンピック(パリ五輪)特集(サッカー)

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