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父の教え、「自分が変えてやる」決意、PK誘発&逆転スーパー弾…19歳・谷川萌々子が大国ブラジル沈める衝撃五輪デビュー

ゲキサカ / 2024年7月29日 10時41分

MF谷川萌々子

[7.28 パリ五輪GL第2節 日本女子 2-1 ブラジル女子 パリ]

 新たな伝説の瞬間となった。日本女子代表(なでしこジャパン)は後半アディショナルタイムで0-1の状況からブラジルに大逆転勝利。MF谷川萌々子は後半35分の途中出場でオリンピックデビューを飾ると、後半44分に自らのドリブル突破から相手のハンドを誘発し、DF熊谷紗希の同点ゴールにつながるPKを獲得する。そして後半アディショナルタイム6分過ぎ、約30mの距離から右足でロングシュートを沈め、サッカー大国ブラジルを下した。

 試合当日の午前中、父から連絡が入った。「ブラジルのGKはけっこう前に出ている。どんどん狙っていけ」。自らのドリブルでPKを獲得し、後半アディショナルタイム2分過ぎに頼れるキャプテン熊谷が同点に戻した。残り時間が少ないなか、それでも谷川は勝利を目指す。試合終了間際、谷川は中盤にこぼれたボールを前に、父の教えを思い出し、右足を振り切った。

 ブラジルのGKはゴールから離れていた。谷川は弾道をコントロールするために、右足でボールに回転をかけながらキック。放物線を描いたボールが相手GKの頭上を越えてネットを揺らした瞬間、谷川は喜びを爆発させて仲間のもとへ走っていった。

 決意のゴールだった。「自分が変えてやるという強い気持ちを持っていた。自分自身、なんか行ける気がするという思いがけっこうあった。(池田)太さんが自分にチャンスをくれたのは本当に感謝しかない。そのチャンスをモノにできたのは本当によかった」。試合後には嬉し涙を流していた。

 劣勢のなかで最少失点に抑えた先輩たちに感謝も忘れない。「あの時間帯まで耐えることができたのも、みんながハードワークして戦ってくれたおかげ。チーム全員で勝ち取った勝利」。19歳の躍動でグループリーグ突破に望みをつないだ。

(取材・文 石川祐介)
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