シーズン序盤は失点増加も身体を張ること、チャレンジ&カバーすることを徹底。神村学園が初戦から5試合連続無失点で初の決勝進出
ゲキサカ / 2024年8月2日 18時12分
[8.2 総体準決勝 神村学園高 1-0米子北高 Jヴィレッジスタジアム]
後半終了間際、神村学園高(鹿児島)のDF黒木涼我(3年=JFAアカデミー福島U-15WEST出身)は、米子北高(鳥取)FWの抜け出しに対応。PAで相手のスピードを止め、シュートコースを切って枠から外させると、会心の表情で喜んでいた。
「あれ失点してしまったら、同点に追いつかれて相手に呑まれそうだったんで、そこは気持ちで止めて良かった」と黒木。試合終盤の勝負どころでも高い集中力を維持し、初戦から5試合連続の無失点勝利を達成した。
この日、神村学園は序盤から相手の力強いアタックを受け、被シュートの本数が増えていた。だが、DF陣は抜け出してくる相手をタックルで止め、シュートを足に当ててシュートを枠へ飛ばさない。また、後半11分のピンチではGK江田優大(2年)がシュートセーブ。こぼれ球を狙われたが、ポストに救われた。
5試合で25得点の攻撃陣が目立つが、一方で5試合連続無失点の堅守。「チャレンジ&カバーのところだったり、最後まで身体を張って、GKも含めてですけど、全員で身体を張って守り切りところがいいと思います」という黒木、DF新垣陽盛(3年)、DF中野陽斗(2年)の3バックがチャレンジ&カバーを徹底し、GK江田や米子北を高さで凌駕したMF鈴木悠仁(3年)とMF松下永遠(3年)のダブルボランチの好守も光る。
2年生守護神、GK江田優大の反応の良さも光るDF鈴木悠仁は中盤で抜群の高さを発揮
神村学園は今季のプレミアリーグWEST開幕5試合で全て3失点以上。4月の帝京長岡高(新潟)戦では4バックが完全に攻略され、前半途中で3バックへの変更を余儀なくされている。黒木は「(現在、)3人でしっかり守備して耐えれてるんで。システム(変更)もそうですし、(個々の)守備能力も上がってきてると思います」。過去の神村学園に比べ、今年はDF陣一人ひとりの能力が高さも印象的だが、意識して課題を改善してきたことがインターハイでの堅守に繋がっているようだ。
決して守って、守って勝つチームではない。それでも、有村圭一郎監督は「よく集中して守ってくれてんじゃないかなと思います」と評価。また、エースFW名和田我空(3年)も「GKと上手く協力できていて、粘り強く守備できている。1対1になっても慌ててないですし、その結果、無失点に繋がってると思うんで、自分も信用してますし、切り替えの部分ですごく自分たちが意識しているところがあるんで、そこも含めて例年とは違うぞっていうのを見せられている」と讃える。
左足キックも特長の黒木は、決勝(3日)へ向けて「自分はキックが持ち味なんで、キックでチャンスメークして、守備の人間なんで、しっかり無失点で勝てるようにしたい。明日、しっかりいい準備して勝ちたいなと思います」と誓った。同校にとって初、鹿児島県勢にとっても1993年大会の鹿児島実高以来31年ぶりとなる決勝進出。神村学園は県勢初優勝と無失点Vにも挑戦する。
1-0で勝利。無失点に貢献のDF中野陽斗が米子北高の選手と健闘を讃える
(取材・文 吉田太郎)
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