玉田圭司監督の下、チャレンジ続けて強度も向上。昌平はFW鄭志錫らが“3年前の悔しさ”もぶつけて初Vへ
ゲキサカ / 2024年8月2日 21時30分
[8.2 総体準決勝 帝京長岡高 1-2 昌平高 Jヴィレッジスタジアム]
昌平高(埼玉)が4度目の挑戦で初めてインターハイ準決勝を突破した。元日本代表FWの玉田圭司監督は2-1の試合後、「めちゃめちゃしんどかったですね」と第一声。入りが非常に良く、MF大谷湊斗主将(3年)の2ゴールによって前半14分までに2点を先取したものの、帝京長岡高(新潟)が戦い方を変えてくる中で受け身になる時間が増えてしまった。
前半のうちに1点を返され、突き放すチャンスを作りながら決め切ることができなかった。「自分たちがやれることっていうものを整理してやれれば、もっといい試合になったし、見てる方も楽しくサッカー見れたんじゃないかなと思うんで、その辺は反省点ではありますね」(玉田監督)。培ってきた技術力や判断力、テンポをもっと、相手以上に表現しなければならない。
玉田圭司監督は就任1年目で全国大会決勝進出
それでも、相手の古沢徹監督が「(自分たちにやや迷いもあったが、)やっぱ相手(昌平の選手)も足を先に入れて、ちゃんとプレーエリアを確保してからのヒットだった。(彼らは腰を落とし、足でブロックしながらキープするなど)ほんと上手に身体を使える」と評したように、エースFW鄭志錫(3年)や大谷が相手の鋭いアプローチを受けてもボールを守り、前進。玉田監督も「試合をやっていく中で成長した部分ではあると思います」という強度の高さを守備面でも発揮していた。
FW鄭志錫は競り合いでの強さを発揮
また、玉田監督は相手のプレッシャーを跳ね返し、勝ち切った選手たちを評価する。「選手の気持ちは凄い伝わってきたし、インターハイこの本戦が始まる前から、『自分たちは優勝するんだ』『決勝まで行くんだ』っていうのを選手みんなが口に出して言ってくれてたんで、そのために僕も努力したし、選手たちに少しでもモチベーションを持たせるためっていうものは意識してやっていました」。育成と勝利を目指すチームは勝ちへのこだわりが強くなっている。
大谷は「みんな勝ちへのこだわりは凄いと思いますし、“常勝集団”でいたいんで。勝ちへの執念は、去年と比べたら結構強くなっていると思います」と語る。また、鄭は「2年前も準決勝、自分出てて、帝京に負けてしまったのが凄く印象に残ってますし、それを今日勝って塗り替えようっていうのはチームとして話していた。勝てて良かったです」と胸を張った。
左SB上原悠都ら守備陣が我慢強くリードを守った
昌平の歴史を塗り替えたが、あと1勝。鄭は「LAVIDAの時も全国決勝で敗れてるんで。ほんとに全国優勝、金メダルを取りに。明日絶対勝ちたい」。昌平高グラウンドで活動する育成組織のFC LAVIDAは2021年の全日本ユース(U-15)選手権大会準優勝。この日の出場メンバーでは鄭や左SB上原悠都(3年)、CB坂本航大(3年)、MF鈴木宏幸(3年)、MF本田健晋(3年)ら8選手が全国決勝を経験している。
今年3月に就任した元日本代表の名ストライカー、玉田監督の下でチャレンジを続けてきた。「玉田さん、『失敗してもいい』ってずっとおっしゃってるし、『チャレンジはいっぱいしろ』っておっしゃるんで、失敗するのを怖れることなくプレーできていると思う」(鄭)という部分を決勝でも表現。鄭は「チームが勝つのが最優先で。自分が点を取って、活躍できたら」。“3年前の全国準優勝”を知る選手たちのリベンジの思いも力に昌平は決勝へ挑み、初優勝を果たす。
(取材・文 吉田太郎)
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