[MOM4810]昌平MF長璃喜(2年)_ 2ゴール1アシスト!インハイ決勝で誰よりも輝く
ゲキサカ / 2024年8月3日 18時1分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.3 総体決勝 神村学園高 2-3 昌平高 Jヴィレッジスタジアム]
初の日本一を懸けた大一番で2度の同点ゴールと決勝アシストの大活躍。昌平高(埼玉)のMF長璃喜(2年=FC LAVIDA出身、U-17日本高校選抜候補)が逆転優勝へ導いた。
まずは0-1の前半終了間際に1点目。FC LAVIDA時代からの盟友・MF山口豪太(2年)の右クロスに走り込む。「豪太がクロス上げるって分かったんで、前に突っ込んだら、いい感じのところに豪太が出してくれて触ったら入った感じです」。落下点では相手DFが先にポジションを取っていたが、その前に身体を入れ、飛び蹴りのような形でゴールを破った。
圧巻だったのは2点目だ。後半29分に神村学園高(鹿児島)に勝ち越し点を許し、優勝が遠のきかけた状況だった。左サイドでMF大谷湊斗(3年)からのパスを受けると、「感覚で」内側へのドリブルから右足一閃。素晴らしい弾道の一撃をゴール左へ突き刺した。
「シュートを打てるようなドリブルをしました。ファーストプレーで意外とドリブルが抜けたんで、『今日、行けるな』と。最高です」
長はドリブル、シュートで違いを生み出す世代屈指のアタッカーだ。この日の対戦相手である神村学園には、国内外のクラブが注目するアタッカーで、今大会9得点のFW名和田我空(3年)がいた。後半のクーリングブレイクで玉田圭司監督から、同じく注目2年生アタッカーの山口とともに「14番(名和田)は素晴らしいけど、オマエがそれぐらいの存在になんなきゃいけない」と檄を受けていた。
長はこれまで名和田を特別意識していなかったというが、全国大会決勝の試合終盤に名和田よりも、誰よりも輝いて見せる。同点弾から3分後の後半34分、左サイドでMF大谷湊斗主将(3年)からパスを受けると、縦に仕掛けてから柔らかいクロス。これをFW鄭志錫(3年)が頭でゴールへ叩き込み、逆転した。
この日の朝、前監督の藤島崇之チームディレクターから「オマエが決めたら、優勝だよ」というメッセージを受けていた。長は昌平の育成組織であるFC LAVIDA時代から注目され、兄・MF長準喜(現順天堂大)とともに戦った昨年度の選手権では2回戦、3回戦で2試合連続同点ゴールを決めている。今年は怪我によって出場時間が十分ではなく、今大会も準決勝まで先発2試合、交代出場3試合で無得点。だが、先発チャンスを得た決勝で2ゴール1アシストを記録し、入学当初から起用してくれていた藤島チームディレクターや玉田監督を喜ばせた。
元日本代表FWの玉田監督から「ミスを怖れず、リスクを冒して強気の姿勢でドリブルしたり、パスとか、ビルドアップとか、そういうことを意識しろと。(その言葉によってプレッシャーがなくなり、)チャレンジャー精神でいけます」。この日も勝ち越され、重圧がかかる場面でドリブルシュートにチャレンジ。強気の姿勢がゴールと初優勝に結びついた。
決勝の活躍によって大会優秀選手に選出。今後は「もっと存在感を。玉田さんにも言われたんですけど、もっと存在感を試合通して出せれるように」。まだまだポジショニングは課題でボールに係わる回数も増やす必要性がある。インターハイ決勝で輝いた2年生MFは課題を改善し、常に存在感を放つ選手になる。
(取材・文 吉田太郎)
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